山崎敦義(TBM社長)は中卒?経歴/年収を調査!LIMEXで世界へ!

  • 2022年5月7日
  • 2023年1月25日
  • 社長

山崎敦義さんは、プラスチックや紙の代替物になり得る石灰石の新素材LIMEX(ライメックス)を開発している株式会社TBMの創業者であり現 代表取締役CEOです。

石油の使用量を大幅に削減したプラスチック代替品「LIMEX Pellet」、製造時の水の使用量を96%削減した紙の代替品「LIMEX Sheet」を中心に開発をおこない、地球の資源を守りつつ、環境に配慮した資源循環を推し進める活動をしています。

本記事では、そんな環境フレンドリーな開発会社を経営す山崎敦義さんの経歴をご紹介します。グローバルに活動をリードする存在になり得るポテンシャルのあるビジネスを展開する株式会社TBMを中卒の社長が経営していると聞けば、誰もが驚くのではないでしょうか。記事内では、山崎敦義さんがどのようにTBMを創業するに至ったのかもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

山崎敦義とは

山崎敦義さんは、資本金234億円、社員数247名を抱える株式会社TBMの創業者で代表取締役CEOを務める人物です。今後百年続く企業づくりを目指し、地球のどこででも手に入る石灰石に目をつけ、地球資源の枯渇を防ぐための紙代替製品、プラスチック代替製品『LIMEX(ライメックス)』の開発を進めています。

国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)では、貧困や教育はもちろん環境へ配慮した開発目標も掲げられています。まさに、国際的なトレンドに沿ったビジネスといえるでしょう。2022年3月の国内スタートアップ評価額ランキングでは、評価額1,336億円で国内6位にランキングされています。

プロフィール

氏名:山﨑敦義(やまさき のぶよし) ※当記事では「崎」と記載します。

生年月日:1973年(昭和48)11月21日

出身:大阪府岸和田市

学歴:岸和田市立久米田中学校 卒業

SNS:-

※2022年4月1日時点

略歴

  • 1989年:中学卒業後、大工見習いとなる
  • 1993年:中古車販売会社を設立
  • 2008年:台湾からストーンペーパーを輸入する会社を設立
  • 2011年:株式会社TBM設立
  • 2014年:国内で製造特許取得
  • 2015年:高品質新素材「LIMEX」の製造開始
  • 2019年:日本オープンイノベーション大賞 経済産業大臣賞

山崎敦義の推定年収

山崎敦義さんの年収は、2,000万円位と予想されます。非上場の企業なので詳しい情報はありませんが、累計資金調達額が327億円に対して工場建設費90億円を除くと、創業からの10年間で3億円しか減っていません。特許などの申請もしていますから、残りの3億円のほとんどが事務経費などに利用されているのでしょう。

同規模の企業の売上を約50億円と予測したとしても、事業の成長段階である現時点では、そこまで多くの収入を得ているとは考えにくい状況です。ですが、国内トップ10に入るユニコーン企業ですから、上場すれば山崎さんの資産は桁外れになることでしょう。

仮に1,000万株を所有して、4,000円の株価がついた場合、資産は400億円になります。さらに、株の配当が1%還元されれば年収は4億円です。一気にとてつもない金額になりますね。

山崎敦義の経歴

大工さん

ここからは、山崎敦義さんの経歴について詳しく紹介します。

中学卒業と同時に大工見習いに

大阪府岸和田市で生まれた山崎敦義さんは、中学校を卒業すると、高校へは行かずにすぐに大工見習いとして就職します。幼少の頃から何か大きなことをしてみたいと野望に近い気持ちを持っていて、同時期に就職したまわりの考え方に違和感を覚えていたそうです。

やんちゃしていたせいなのか、後悔や反省などマイナス思考の人が多く、将来をあきらめている雰囲気があったそうです。学歴のコンプレックスから理解を示しつつも、自分自身はモチベーション高く過ごすことができていたと話しています。

20歳で中古車販売会社を起業

20歳の時に友人と中古車販売会社を起業します。車社会で育った環境から需要があることを感じていたことと、学歴のないバックボーンを持った人間が大きいことをするには起業が最適と考えていたそうです。若くして起業した山崎さんですが、その後10年近く事業を続けることに成功します。

しかし、10年後は誰しもが知っている会社にすると希望を持っていた頃とは違い、理想と現実のギャップに悩んでもいたそうです。そんな山崎敦義さんのターニングポイントになったのが、先輩社長から誘われたヨーロッパ周遊旅行です。特にバチカンで見た景色に心を打たれました。

時代時代で多くの人が入れ替わり立ち替わり存在してきたけれど、その中で変わらない文化や建物が存在していることに気づかされます。そのような光景を目の当たりにして、自分も残り続けるものを作ってみたいと考えるようになったそうです。

30歳で世の中に役立つ企業を目指す

握手するビジネスマン

ヨーロッパから帰国した山崎さんは、すぐに次のビジネスの検討を始めます。何をやり遂げるのかを必死で考え抜いた結果、何百年も挑戦できる企業を作りたいという想いにいたりました。そこで次なる起業に向けて、「グローバルであること・世の中の役に立つ事業であること・兆の規模のビジネスになること」をテーマに事業を探すことにしました。

新事業との出会いはすぐに訪れます。知り合いの社長さんから台湾の企業が製造するストーンペーパーを紹介され、衝撃を受けることになるのです。ストーンペーパーの原料は石灰石です。安価な資源として世界中で採掘できるほど量も豊富で、製造方法もシンプルなため、エネルギーコストを下げながら商品開発が可能な製品だったのです。

日本での成長を直感した山崎さんは、すぐに輸入商社として事業をスタートさせます。話題性としては予想が的中し、環境フレンドリーでプラスチックや紙に替わるポテンシャルがあるということで、今までの事業では考えられない大手企業からの問い合わせもあったそうです。

しかし、事業はすぐに停滞期を迎えます。理由としては、台湾から輸入する素材の品質が安定しない、重い、製品の価格が高いということです。安価な豊富な石灰石のはずなのに、品質が適切に管理されず、安定供給もできない状況でした。現地の台湾の企業に改善案を出して一緒に取り組む姿勢で接しても、中々対応してもらえず、連絡も取れない状態まで悪化してしまいます。

株式会社TBMを設立

赤字も出し続けている状況でしたが、自社での開発に切り替えることを決断しました。自社開発で大量生産するためには自社工場が欠かせません。ですが、製品特許を持っていないこと、リーマンショック後の経済状況で、中々資金を集めることができませんでした。

経済の状況も考慮して、国内だけでなく海外へも奔走する山崎さん。海外でもニーズの高さに手応えを感じつつも、実際の資金調達に至ることはありませんでした。元日本製紙の角氏をTBM会長に迎え、角氏が頭を下げながら、大学や他社のラボを借りながらの研究が続き、いよいよダメかもというタイミングでなんとか助け舟を掴むことになります。

2013年に製品サンプルの開発が成功し、経済産業省のイノベーション事業への補助金も獲得することができました。補助金は工場設立後の後払いではありましたが、特許取得と政府の補助金獲得が担保の役割を果たし、工場設立の資金を集めることができました。2015年に宮城県の白石蔵王工場が竣工します。2011年の会社設立から、実に4年の歳月がかかりました。

困難を跳ね除け着実に成長

長年の苦労が実り自社工場の設立に至りましたが、困難は続きます。R&D(研究開発)ではうまくいっていた製品が、量産では品質を保つことができないという事態が続きます。TBMで1つ目の商品として完成した製品はLIMEXで作られた耐久性のある「名刺」になるのですが、それができるまでに約1年半の月日がかかっています。

量産体制を作るために外部人材、開発人材を入れ、ようやく完成品を製造することができたのだそうです。素材が革新的なものであっても大量に製造できなければ事業として立ち行かない、そんな製造業の難しさをはたからでも感じられますよね。

創業から自社開発への切り替え、工場設立のための資金工面、その後もはじめての製品完成まで、さまざまな苦労をされてきた山崎さん。2022年には資本金234億円、社員247名、評価額1,336億円を超えるユニコーン企業にまで成長しました。

宮城県白石の工場は総工費20億円、2つ目の多賀城の工場は総工費70億円、累計の資金調達額は327億円にのぼります。順当に進めば今後は株式上場が待っています。さらに大きな資金を集め、世界を牽引するリーダー企業へと突き進むことでしょう。

株式会社TBMの事業内容

石灰石

山崎敦義さんが経営している株式会社TBMの事業をご紹介します。

LIMEX

メインの事業は石灰石から生まれた環境フレンドリーな素材LIMEXを利用した製品開発です。ライメックス・シート、ライメックス・ペレットの2種類があります。

  • ライメックスシート…紙の代替素材。紙製造に利用される水を96%カットします。耐久性や耐水性に優れており、名刺や食品メニューへ利用されています。
  • ライメックスペレット…プラスチックの代替素材。石油使用の大幅削減、CO2の排出削減が可能な素材です。レジ袋、食品容器、アメニティなどに利用されています。

CirculeX

ライメックスが資源の使用を制限できる素材であるのに対して、サーキュレックスは再生循環が可能な素材です。再生材料を50%以上含む素材で、資源の再利用を目的として、包装資材・物流資材・建築資材などに利用されています。

MaaR

資源の再利用をコーディネートするサービスです。

  1. オフィスごみを燃やさず資源回収
  2. オフィス内に回収ボックスの設置
  3. 環境配慮型の商品提供

が主なサービス内容です。小さなアクションからサステナブル(持続可能)な事業活動にしていく狙いがあります。

ZAIMA

LIMEXなどの環境配慮素材の他にも植物由来の素材を使った製品を購入できるECサイトです。環境に配慮するだけでなく、肌が敏感な方にもやさしい素材を利用した製品ラインナップを揃えています。デザイン企業とパートナーシップを組むなど、デザイン性も兼ね備えた商品作りにも力を入れています。

山崎敦義とTBMが目指す今後のビジョン

大きなことをやってみたいと起業に踏み切った山崎敦義さんですが、今は個人よりもまわりへ・社会への想いが強くなったと語ります。自分達の挑戦に対して応援してくれる企業や投資家への責任、国の補助金サポートのバックヤードとなるTBMの国際的な活動に対する期待への責任、有望な企業を蹴ってスタートアップへきてくれた社員への責任を感じているそうです。たくさんの人の想いの詰まった意義のあるビジネスをされているのが分かりますよね。

今後のビジョンとしては、サーキュラーエコノミー(循環可能経済)の実現に向けて、海外展開をさらに推し進めていく計画があるそうです。具体的な目標としては、国連サミットで採択されているSDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、各国の活動の一助となることです。

それを現実のものにするために、TBMでは既存の設備そのままにLIMEXを利用できる研究開発を進めています。新たに専用の設備を用意することがないため、LIMEXを採用してくれれば、圧倒的なスピードで普及させることが可能です。

ただし、持続可能な社会にするためには、物の普及だけでなく、それらを循環させることが最も大切だそうです。日本はプラスチックの廃棄量が世界2位の国ですが、集めて循環するための仕組みが整っているためあまり知られていません。東南アジアなど回収が十分にされていない国に訪れる際には、回収の仕組みづくりもあわせた民間企業とのパートナーシップ作りに力を入れているそうです。

まとめ

国際的な意義のあるテーマをビジネス展開するTBMの創業者、山崎敦義さんをご紹介しました。サステナビリティのトッププレイヤーになり、国に合わせたLIMEXを提供したいと話す山崎さん。今後のグローバルな事業展開に注目ですね。