南壮一郎とは?ビズリーチ創業者でビジョナル社長の経歴と資産額が凄い!

  • 2022年5月7日
  • 2023年1月25日
  • 社長

南壮一郎さんは、即戦力人材と企業をつなぐサービスを展開している「ビズリーチ」の創業者です。現在はビズリーチを傘下に収めるビジョナル株式会社の代表取締役社長として、グループ企業の新規事業育成に邁進しています。

「こんな人材どこで?ビズリーチ!」のCMでお馴染みの会社です。2016年から放映されているCMですが、当時停滞期にあったビズリーチの限界突破のキッカケになるほどの知名度をもたらしました。

本記事では、南壮一郎さんの経歴や年収などをご紹介します。証券会社を退職して東北楽天ゴールデンイーグルスの立ち上げに参加したり、ビズリーチ創業の翌年にECサイトを立ち上げたりと、畑違いの業界に躊躇なく飛び込んでいく南さん。記事内では、その原動力とも言える幼少時代の体験についてもご紹介していきますので、ぜひご覧ください。

南壮一郎とは?

南壮一郎さんは、会員数152万人、累計17,000社のリクルート実績を誇る「ビズリーチ」の創業者です。現在はグループ企業であるビジョナル株式会社の代表取締役社長となり、人事関連サービスを軸として、物流やサイバーセキュリティのサービスを展開しています。

プロフィール

  • 氏名:南壮一郎(みなみ そういちろう)
  • 生年月日:1976年(昭和51)6月15日(46歳)
  • 出身:大阪府
  • 学歴:アメリカ・タフツ大学数量経済学部、国際関係学部 卒業
  • SNS:Twitter2.2万人

※2022年4月1日時点

略歴

  • 6〜13歳までカナダ・トロントで暮らす
  • 1999年:モルガン・スタンレー東京支社入社
  • 2002年:香港・PCCWグループ日本支社立ち上げ
  • 2003年:S-1スポーツ設立
  • 2004年:東北楽天ゴールデンイーグルス立ち上げに携わる
  • 2007年:株式会社ビズリーチ設立
  • 2009年:「ビズリーチ」のサービス提供を開始
  • 2010年:新事業「LUXA」のサービス提供を開始
  • 2014年:世界経済フォーラムYoungGlobalLeadersに選出
  • 2015年:日本起業家賞2015「米国ビジネス賞」
  • 2020年:ビジョナル株式会社を設立。代表取締役社長に就任
  • 2021年:東証マザーズ上場

自身の転職活動で感じたもどかしさから企業が求職者へ直接アプローチできるビズリーチを創業しました。創業から順調に資金調達で事業を伸ばしていき、2016年に公開した「こんな人材どこで?ビズリーチ!」のTVCMを皮切りに、ヘッドハンターだけでなく一般企業への導入を推し進めることに成功しました。

2021年に東証マザーズ上場し、上場初日の時価総額は2,500億円を超え、大手企業の仲間入りを果たしました。

南壮一郎の年収と資産額

時価総額2,500億円を超えるビジョナル創業者である南壮一郎さんの年収は、約2,000万円です。有価証券報告書によると取締役5名への報酬は1億円とのことですから、5等分すると2,000万円になるからです。

ただ、時価総額2,500億円の創業者の年収としては低く見えるかもしれません。南壮一郎さんの年収がそこまで多くない理由としては、企業方針として株主配当を出していないことが挙げられます。事業がまだ成長段階であるため、会社への貯金(内部留保)を進め、事業投資を推し進める狙いがあります。

なお、南壮一郎さんの保有株式数は16,224,400株で、直近の株価7,200円で計算すると南壮一郎さんの資産額は約1,162億円にのぼります。仮に1%の配当を受け取るとしたら、年収は2,000万円から一気に11億6,000万円に跳ね上がる計算です。現段階では事業の成長を優先させ、あえて年収を取らない方針のようです。

南壮一郎の経歴

サッカーボール

ここからは南壮一郎さんの経歴を学生時代から詳しく紹介します。

マイノリティとして過ごす学生時代

南さんは大阪で生まれますが、父親の仕事の関係で6〜13歳までカナダのトロントで過ごします。地元の小学校に入学したためクラスのアジア人は南さん1人だけでした。ですが、得意なサッカーですぐに打ち解けることができたそうです。中学に進学すると日本に帰国します。今度は日本語がうまく話せないことで、母国にいるにも関わらず劣等感を感じていたそうです。

静岡の浜松北高校に進学した南さんですが、ここでも地区選抜に選ばれるほどサッカーで存在感を示すことに成功しました。大学進学時、南さんは再度マイノリティに挑みます。周囲の反対を押し切り、アメリカのタフツ大学に進学するのです。

ですが、中1で止まっていた英語では授業についていけず、相当苦しんだそうです。また、16年間のサッカー人生でレギュラーを落とされたことのなかった南さんでしたが、初めてベンチ要員となり悔しい思いをしたのだとか。それでもサポートメンバーとしての貢献が認められ、チームメンバーから選ばれる「チーム・スピリット賞」を受け取ります。主役から脇役に選ばれ悔しい思いをした南さんですが、組織におけるサポートメンバーの重要性について身をもって学んだそうです。

外資証券入社

大学を卒業した南壮一郎さんは、モルガン・スタンレー証券東京支社に入社します。ビジネスマンとしての土台を築きたいと考えていた南さんは、最長週138時間働くなどブラックと呼ばれる企業よりもハードに働きます。

その後、クライアントであった香港・PCCWグループの日本支社立ち上げに参画し、世界を飛び回る日々を送っていました。

国内球団の立ち上げに携わる

2002年の日韓W杯をキッカケにスポーツへの情熱が再燃した南さんは、フットサル場の管理などを行う株式会社S-1を立ち上げますが、理想的な関わり方ではなく悶々とする日々を過ごします。

2004年に楽天がプロ野球界への進出を表明したことを好機と見た南さんは、楽天社長の三木谷氏へ直談判。50年ぶりの新規球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」設立の立ち上げメンバーに見事選ばれ、さらに初年度から黒字化させるなど、球団経営も大成功します。

自身の体験からビズリーチを創業

2007年に東北楽天イーグルスを退職した南壮一郎さんは、それから1年ほど世界旅行をするなど次のビジネスについて模索する時間を過ごしていました。会社内起業も視野に入れて転職活動をしていた南さんですが、依頼したヘッドハンター27人全員から別々の案件を提示され、本当に自分に価値を見出してくれているのだろうかと違和感を抱き、企業から直接意見を聞いたりオファーをもったりする方法はないだろうかと考え始めます。そこから生まれたのが「ビズリーチ」です。

南壮一郎の展開している事業

南壮一郎さんが設立したグループ会社「ビジョナル」が展開する事業をご紹介します。

人材テック

ビズリーチを中心に採用xITで、人材と企業をダイレクトに結びつける事業を展開しています。

  • ビズリーチ…会員数152万人のハイクラス転職専用の会員制転職サイトです。
  • HRMOS…企業向けサービスです。人材管理、採用管理、勤怠管理などをまとめておこなえます。
  • eKeihi…経費精算の電子化と一元管理ができるシステムです。電子帳簿保存法の改正により、今後の需要高が見込まれています。
  • キャリトレ…20代に特化した転職サイトです。流動性のある若手人材の転職をサポートします。
  • ビズリーチキャンパス…OB/OG訪問を中心とした大学生のキャリア支援のためのサービスです。
  • スタンバイ…全国の求人情報を一括で検索できる、求人専用の検索エンジンサービスです。

事業継承

ビズリーチで培ったダイレクトに繋がれるサービスを、事業継承にも導入しました。
ビズリーチ・サクシードは譲渡を検討する企業と受け入れ企業をマッチングするサービスです。譲渡する企業は無料で利用でき、受け入れ側の登録は審査制となっています。

サイバーセキュリティ

サービスを独自所有するのではく、課金利用する形態が当たり前になりつつあります。ですが、自社に対する攻撃の心配がなくなる分、利用しているサービスへの攻撃に巻き添えを食う可能性が出てきました。セキュリティをチェックするサービスも提供しています。

  • yamory…脆弱性の自動検知と対応優先度を通知してくれるサービスです。
  • Assured…クラウドサービスを利用する際のセキュリティリスクに関する評価情報を提供してくれるサービスです。

物流テック

ITで人材と企業のダイレクトコネクションを作り出したビジョナルは、ITで人と荷物を繋ぐビジネスにも参画しています。2020年に物流データプラットフォームを運営するトラボックスを子会社化しました。トラボックスは、配送希望会社や個人荷主、空きトラック保有の運送会社をマッチングするサービスです。

ビズリーチが停滞期を打開したきっかけ

階段を登るビジネスマン

南壮一郎さんは、ビジネスプロフィールの代表格である「Linkedin」から自分の経歴を会社に閲覧してもらうサービスを思い描くも、新しいコンセプトにフルコミットしてくれるチャレンジャーは見つからず、人材確保に苦労します。平日夜や土日に関わってくれる仲間をなんとか集め、2009年にビズリーチをリリースしました。

1年以内に1億円集められなければ解散すると宣言して始めたビジネスですが、翌年に2億円の資金調達に成功し、本格的にビジネス拡大に向けて動き出します。ただ、実はビズリーチと並行してECサイト「ルクサ」を設立し、こちらもビズリーチの資金調達の翌年に3億円の資金調達をおこなっています。本業のサブで始めたビジネスにも関わらず、本業よりも大きい資金調達を達成してしまいました。

ビズリーチの方は、ヘッドハンターによく受け業績も伸ばしていましたが、2014年に会員20万人、社員300人規模に到達してからは頭打ちとなってしまいました。ヘッドハンターには受け入れられたけれど、一般企業の人事担当には需要を訴求することができなかったのです。

壁を打開する戦略として生まれたのが、TVCM広告でした。資金調達を受けて以降順調にビジネスを進めた「ルクサ」は4年で従業員250人規模にまで拡大し、2015年にKDDIへ売却されます。その売却資金をTVCMに投下して勝負に出たのです。インターネットマーケティングと違い直接的な影響が見えにくいTVCMですが、結果的にTVCMのお陰で会社はその後も成長を続け、会員数152万人、時価総額2,500億円を超えるユニコーン企業へと変貌を遂げました。

あえて上場を先延ばしにした事業作り

2021年にマザーズ上場を果たしたビジョナル株式会社ですが、創業から順調に資金調達も実施しており、やろうと思えば2016年にはビズリーチのまま上場できたかもしれない状況でした。ですが、インターネットで社会にインパクトを与えたいと思っていた南さんは、ビズリーチだけでなくそれに次ぐビジネスが必要であると考え上場を先送りにします。

2021年の上場を目処に逆算し、複数の事業を立ち上げました。「HERMOS」などの人材管理系サービスの他、事業継承の「ビズリーチ・サクシード」、サイバーセキュリティの「yamory」、物流プラットフォームの「トラボックス」などです。複数の事業の準備が整ったところでグループ会社であるビジョナル株式会社を設立し、2019年にグループとしての上場を果たします。上場時の時価総額は2,500億円、マザーズ市場ではメルカリに次ぐ2番目の規模となっています。

まとめ

企業がよりダイレクトな採用活動ができるようプラットフォームを作り上げた南壮一郎さん。採用や人材管理だけでなく、セキュリティや物流にもインターネット技術の導入を進めています。2021年に上場を果たし、今後5年、10年とさらなる発展を遂げていくことでしょう。

行動力でまわりを圧倒してきた南さんですが、人を巻き込んで事業を起こすのには苦労しました。何かに挑戦したい場合、100%フルコミットするのはリスクがあります。挑戦はしたいけれど、全てを投げ打ってやりたいほどではない、と感じている人も多いはず。南さん自身の創業スタイルのように、平日夜や土日の利用から始めてみるのも、一つの選択肢としてはアリかもしれませんね。