田中仁はJINSの創業者!経歴や手掛けるビジネス/財団を紹介

  • 2023年3月17日
  • 2024年3月8日
  • 社長

田中仁(たなか ひとし)さんは、日本を代表するアイウェア(メガネ)ブランド「JINS」を作った株式会社ジンズホールディングスの代表取締役CEOです。

それだけでなく、地域創生や起業家育成に力を入れている田中仁財団の代表理事やめぶくグラウンド株式会社の取締役など、幅広い事業に携わっています。

田中仁さんが携わっているビジネス

・株式会社ジンズホールディングス 代表取締役CEO
・オイシックス・ラ・大地株式会社社外取締役
・日本通信株式会社 社外取締役
・田中仁財団 代表理事
・めぶくグラウンド株式会社 取締役
・前橋工科大学客員教授

田中仁さんは数々の功績を残しているからこそ、どのようなバッググラウンドがあるのか気になりますよね。

そこでこの記事では、日本を代表する実業家である田中仁さんの経歴や生い立ち、ビジネスでの業績などをまとめてご紹介します。

この記事を最後まで読めば、田中仁さんのビジネスや人柄を理解できるはずです。多くの成功を成し遂げた田中仁さんを詳しくチェックしてみましょう。

田中仁のプロフィール

田中仁の顔画像

まずは、簡単に田中仁さんのプロフィールを紹介します。田中仁さんは、日本を代表するアイウェアブランド「JINS」を手掛ける株式会社ジンズホールディングスの代表取締役CEOです。ブランド名の「JINS」は、田中仁さんの名前である「仁」を音読みしたところから名付けられたと言われています。

その他にも、地域創生に取り組む田中仁財団の代表理事、めぶくグラウンド株式会社の取締役など幅広い事業に携わっています。

【プロフィール】

名前田中仁(たなか ひとし)
生年月日1963年1月25日
出身地群馬県前橋市
学歴伊勢崎商業高校卒業
慶応義塾大学大学院卒業(2014年)
趣味ウォーキング
好きな食べ物寿司
現在の家族構成既婚者(子どもが2人)
職業株式会社ジンズホールディングス 代表取締役CEO
オイシックス・ラ・大地株式会社社外取締役
日本通信株式会社 社外取締役
田中仁財団 代表理事
めぶくグラウンド株式会社 取締役
前橋工科大学客員教授
ブログ株式会社ジンズホールディングス 「CEOブログ 今僕が思うこと」
著書振り切る勇気 メガネを変えるJINSの挑戦

田中仁の経歴

めがねを選ぶ男性

ここからは田中仁さん自身にフォーカスをあてていきます。

1963年1月25日群馬県前橋市で3人兄弟の末っ子として誕生
1981年3月伊勢崎商業高校卒業
1981年4月前橋信用金庫(現しののめ信用金庫)入庫
1987年4月服飾雑貨製造卸業のジンプロダクツを創業
1988年7月有限会社ジェイアイエヌを設立(現株式会社ジンズホールディングス)代表取締役CEOに就任(現任)
2014年6月一般財団法人田中仁財団を設立
2015年6月オイシックス株式会社(現オイシックス・ラ・大地株式会社)社外取締役に就任(現任)
2021年6月日本通信株式会社 社外取締役に就任(現任)
2022年10月めぶくグラウンド株式会社 取締役に就任(現任)

田中仁さんが現在に至るまでどのような道を歩んできたのか、起業を決意したきっかけや地域創生に挑戦した思いなどが分かるのでぜひチェックしてみてください。

勉強が苦手だった幼少期

田中仁さんは、群馬県前橋市で3人兄弟の末っ子として誕生しました。自然豊かな環境で、昆虫採集を楽しみながら育ちました。母親の実家が商売をしており、両親も中学のころから商売を始め商売が身近な環境にあったそうです。

幼少期は親や先生の言うことを聞かないわんぱくっ子だったようですが、自分が決めたことは頑張れる性格でした。昆虫採集は頑張れることの1つで朝早く起きて暗い中1km近くの道のりを歩き、カブトムシやクワガタを捕まえに行くこともあったそうです。

小学校、中学校と熱心に勉強をした記憶がなく、机の前に5分と座っていることができませんでした。勉強はあまり好きではなったそうですが、小学校はまあまあ成績がよく中学校では中の上と平均以上の成績をキープしていました。

その後、志望していた高校とは別の高校に入学し、早々に大学受験を諦めて商売の道に進もうと決めました。当時は県庁や市役所、金融機関への就職が人気だったので、商売の役に立つという視点で前橋信用金庫(現しののめ信用金庫)への就職を決めたそうです。

起業を決断した転機

前橋信用金庫での仕事は思っていたよりも泥臭く、取引先である中小企業をミニバイクで回りました。現場ではさまざまな場面に遭遇し、商売の怖さやリアリティーを痛感したそうです。その中で、「このまま起業せずにサラリーマンをしていたほうが楽なんじゃないか」「本当に起業がしたいのか」と自問自答をする日々があったと言います。

最終的に起業をする決断ができたのは、大晦日の出来事がきっかけでした。大晦日の夜に取引先のお客さんに「大晦日に金をせびりに来るなんて、お前は物乞いか」と言われたのです。この一言を機に、起業をする決断をしたそうです。

ビジョンを見つけて株価が回復

田中仁さんは1987年、24歳のときに「ジンプロダクツ」をスタートしました。翌年には株式会社ジンズホールディングスの前身となる有限会社ジェイアイエヌを設立しました。当初は服飾雑貨の製造卸しをしていたのですが、思ったように売れず苦戦したそうです。

メガネとの出会いは、2000年のことでした。友人と韓国旅行をしていたところ、1本3,000円15分で仕上がるメガネが偶然目に留まりました。大喜びをして購入する友人を見て、ビジネスチャンスを感じたそうです。

帰国後はすぐに、日本の眼鏡業界についてリサーチを開始しました。その中で1本のメガネを作るためにさまざまな中間マージンが発生し、顧客にたどり着くころには高額になっていることに気付きました。

そこで、閉鎖的だったアイウェア業界にいち早くSPAの仕組みを取り入れると、「JINS」のアイウェアの大ヒットにつながりました。

しかし、2008年に新業態としてオープンした店舗がうまく行かず、赤字へと転落します。会社の経営方針が決められずに迷っていたところ「一度、ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長、 ユニクロ代表取締役会長兼社長である柳井さんに会ってみませんか」と言われたそうです。

そして、二人の面談は2008年12月24日に実現します。会話の中で「この株価は将来性がないと思われている」と言われたそうです。志のない会社は継続的に成長できないとも言われたことで、ビジョンを持つ重要性を知る転機となりました。

翌年1月にはすぐに経営陣で初めての合宿を行い、明確なビジョンを掲げました。ビジョンが分かると次の打ち手が明確になり、浮かんだアイデアに自信を持って実行できるようになったそうです。

慶応義塾大学大学院に進学

2011年には、モナコで開催された「ワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」世界大会の日本代表として選出されました。世界各国の優れた起業家と会話をしているうちに「案外普通の人だな」と感じたそうです。

本格的に経営の勉強をしたいと感じ、翌年から慶応義塾大学大学院(政策・メディア研究科)に通いました。人生で初めて机に向かい、真剣に勉強に取り組んだそうです。

仕事と勉強を両立するために、講義は月曜日と水曜日の午前中に集約しました。仕事や会食を早めに切り上げて、午前2~3時まで勉強をすることもあったそうです。社員の協力もあり2年間で無事に大学院を卒業しました。

この期間も「JINS」の躍進は止まらず、2015年にはサンフランシスコに北米1号店をオープンしました。すでに中国には50店舗を出店しており、グローバルな企業へと成長を遂げました。

故郷の地域創生や起業家育成に取り組む

田中仁さんは50歳の節目を迎えたときに、自分以外のところにエネルギーを向ける時期になったと感じたそうです。

2011年に訪れた「ワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」世界大会では評価項目の中に「起業家個人の社会貢献」があったことも、脳裏に引っかかっていました。経営者はビジネスで社会貢献をするべきですが、それだけでは何か違うと感じました。そのときに浮かんだのが、故郷の群馬県前橋市でした。

幼い頃の自分と同じような環境で育った子は、日本中にたくさんいるような気がしました。昆虫採集が好きで勉強が苦手だった子が、ちょっとしたきっかけで起業家になれたのです。ちょっとしたきっかけを提供できるようになりたいと思い財団を立ち上げ、地元の起業家育成の取り組みを始めました。

また、起業家支援だけでなく前橋市の地域活性化などのまちづくりにも深くかかわるようになりました。自分にできることから少しずつやっていきたいとの思いで、経営者と地域創生の2軸で奮闘しているそうです。

このように、田中仁さんは個人の服飾雑貨卸し業を株式会社ジンズホールディングスへと成長させました。「田中仁のビジネスの格言」で詳しく触れていますが、その裏には熱意と本気を持ち真剣に取り組む田中仁さんの姿勢があったからこそなし得た偉業だと言えるでしょう。

田中仁の現在の4つのビジネス

めがねを試着する女性

ここでは、田中仁さんが現在携わっている4つのビジネスについてそれぞれ詳しくご紹介します。

田中仁さんが現在携わっている4つのビジネス

各ビジネス領域でどのような実績を残しているのか理解できるので、参考にしてみてください。

株式会社ジンズホールディングス 代表取締役CEO[1/4]

冒頭でも述べたように、田中仁さんは株式会社ジンズホールディングスの代表取締役CEOです。「Magnify Life「あたらしい、あたりまえ」を創り、まだ見ぬ世界を拓いていく。」をビジョンに主にアイウェアの企画や販売、製造などを行っています。

株式会社ジンズホールディングスについては、のちほど詳しく紹介します。

一般社団法人田中仁財団 代表理事[2/4]

一般社団法人田中仁財団は、田中仁さんが2014年に設立しました。田中仁さんの出身地である群馬県前橋市への地域貢献活動や社会貢献活動を行っています。一般社団法人田中仁財団では、主にこれからご紹介する4つのプロジェクトを実施しています。

【概要】

名称一般社団法人田中仁財団
所在地群馬県前橋市川原町二丁目26番地4
公式サイト一般社団法人田中仁財団公式サイト

前橋まちなか活性化プロジェクト

一般社団法人田中仁財団は群馬県前橋市の都市形成と豊かな地域社会を実現するために、下記のような「前橋まちなか活性化プロジェクト」に取り組んでいます。

【前橋まちなか活性化プロジェクトの一例】

白井屋ホテル創業300年の旅館「白井屋」を世界有数のクリエイターとともに再生。
約5年の歳月をかけて大改修と新棟の建設を終えて2020年12月に開業
太陽の会前橋市内に本店や主要拠点を有する企業と「太陽の会」を設立。
毎年純利益の1%(最低100万円)を拠出し、前橋市の発展に関わる事業に投資している
前橋めぶくトークの開催前橋の新しいビジョン「めぶく。」に基づき、2017年4月より開催。
さまざまな分野の著名人や識者をゲストに迎え、楽しいトークセッションを繰り広げる

「前橋まちなか活性化プロジェクト」は地域社会の発展と市民生活の向上に貢献することを目的としており、文化や芸術の振興、起業家の支援などに力を入れています。

とくに、「太陽の会」では前橋市内に本店や主要拠点を有する企業と50年後、100年後の前橋に資産となる大きな事業を策定するために、継続的な議論を行っています。

群馬イノベーションアワード(略称GIA)

群馬イノベーションアワードは、群馬から次代を担う起業家を発掘・奨励し、地域活性化につなげるプロジェクトです。

一般社団法人田中仁財団は、群馬イノベーションアワードの共催として携わっています。田中仁さん自身も実行委員会長や審査委員を勤めており力を注いでいます。

群馬イノベーションアワードは社会人だけでなく、高校生や大学生向けの部門があり、広く新しいアイデアや技術、サービスを募集しているところが特徴です。

参加者や観覧者からは「刺激になった」「自身のプロジェクトを多くの人に知ってもらえるきっかけとなった」などの声があり、ビジネスの観点からも群馬県を盛り上げています。

馬イノベーションスクール(略称GIS)

一般社団法人田中仁財団は、群馬イノベーションスクールの主宰をしています。

群馬イノベーションスクールは、群馬県から次世代を担う起業家や事業継承者を発掘することを目的としたビジネススクールです。社会課題に挑戦するイノベーターを多く輩出する、21世紀の寺小屋を目指しています。

募集要項を満たし書類選考や面接を受ける必要はありますが、受講料が無料となっているところが大きな特徴です。毎月1回の講義を通じて、企業理念やビジネスモデルの作成など起業家精神を学べます。

群馬リーダーズオープンプラットフォーム(略称GALOP)

群馬リーダーズオープンプラットフォームは、「みんなでつくる、共感のひろば」をコンセプトに2022年4月からスタートしました。

質の高い出会いや新しい学びの機会を創出し自ら考え行動するリーダーが一人でも多く誕生するよう、さまざまなテーマでトークセッションを行います。

今までには武田薬品工業株式会社代表取締役 日本管掌の岩崎真人氏や株式会社ほぼ日代表取締役社長の糸井重里氏など、名だたる著名人と田中仁さんがトークセッションを行っています。

オイシックス・ラ・大地株式会社、日本通信株式会社 社外取締役[3/4]

田中仁さんは2015年に「オイシックス・ラ・大地株式会社」の社外取締役に就任(現任)、2021年に「日本通信株式会社」社外取締役に就任(現任)しています。

日本通信株式会社では「JINS」の創業者そしてグローバル企業の経営者として、業務執行を監督する役割を全うできるとの判断で社外取締役に就任したそうです。

【田中仁さんが社外取締役を務める会社】

オイシックス・ラ・大地株式会社Webサイトやカタログで安全性に配慮した食品や食材の販売を行っている企業
日本通信株式会社個人及び法人顧客向けのモバイル通信サービスの提供を行っている企業

どちらの企業も規模が大きく着実に業績を残している企業なので、責任と権限がある人材を配置するでしょう。田中仁さんの実績や経営者としての手腕は、日本企業にも大きく評価されていることになります。

めぶくグラウンド株式会社 取締役[4/4]

めぶくグラウンド株式会社は、前橋市と株式会社ジンズホールディングスを含む8事業者で創立したまちづくりための官民共創会社です。田中仁さんは、 めぶくグラウンド株式会社の取締役を勤めています。

めぶくグラウンド株式会社は「誰一人取り残されることなくWell-Beingを享受することができる社会の実現」をミッションに掲げ、従来のまちづくりにデジタルの力を加えた「デジタルグリーンシティ」に取り組みます。

リアルとデジタルが融合することでより豊かな未来が実現できると考え、めぶくIDやデータ連続基盤の構築の提供を推進します。

【会社概要】

所在地群馬県前橋市表町2-30-8AQERU前橋 6F
資本金3億円(資本準備金を含む)
公式サイトめぶくグラウンド株式会社公式サイト

株式会社ジンズホールディングスとは

田中仁さんが代表取締役CEOを務める株式会社ジンズホールディングスは、アイウェアの企画や販売、製造などを行う企業です。

会社概要

会社名株式会社ジンズホールディングス
東京本社所在地東京都千代田区富士見2丁目10番2号 飯田橋グラン・ブルーム30階
資本金3,202百万円
上場市場東京証券取引所 プライム市場(3046)
従業員数3,599名(2022年8月時点)
公式サイト株式会社ジンズホールディングス公式サイト

株式会社ジンズホールディングスの沿革

株式会社ジンズホールディングスは、1988年に田中仁さんが創業した会社です。当時はジェイアイエヌという社名で、雑貨企画や制作、販売を行っていました。

1988年有限会社ジェイアイエヌ(現ジンズホールディングス)創業
1991年株式会社に改組
2001年アイウェア事業の「JINS」を開始
「JINS」の1号店「JINS天神店」をオープン
2007年「JINS」のONLINE SHOPを開設
2009年軽量アイウェア市場を創出
価格体系「NEWオールインワンプライス(独自の料金体制)」を導入
2010年初の海外出店である中国1号店をオープン
2011年機能性アイウェア市場を創出
2013年東証一部に上場
2015年米国・台湾1号店をオープン
移動型販売の店舗「JINS VAN」が出動
2016年ルミネと共同開発した新業態(メガネと周辺雑貨を扱う専門ショップ)「rim of jins」OPEN
メガネの高精度3D試着サービス「JINS VIRTUAL-FIT」を開始
2017年ワークスペース事業「Think Lab」をオープン
「JINS」のオリジナルアプリの導入を開始
2018年フィリピン・香港1号店をオープン
国内外に500店舗出店達成
2019年持株会社体制への移行
地域共生事業部を新設
2021年地域共生型店舗「JINS PARK」 オープン
「JINS」47都道府県への出店を達成
2022年プライム市場に移行

2001年にアイウェア事業の「JINS」を開始し、「JINS」の1号店となる「JINS天神店」を出店します。2010年には初の海外店舗となる中国1号店を出店し、グローバルな展開を視野に入れて店舗展開を開始します。

同時に2009年からはアイウェアに付加価値を与える「軽量アイウェア市場」や「機能性アイウェア市場」の創出を開始しました。2013年には東証一部に上場し、2018年には国内外500店舗出店を達成しています。2022年には東京証券取引所のプライム市場に移行、2022年8月期の売上高は66,901百万円に達しています。

現在はアイウェア事業の「JINS」の他にソロワーキングスペースを提供している「Think Lab」事業、農業経営に携わる「JINSノーマ」事業も行っています。

株式会社ジンズホールディングスの業績

ここからは、株式会社ジンズホールディングスがどのような業績を残しているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

①アイウェア業界に独自のSPA方式を採用

「JINS」が登場するまでのアイウェア市場は価格が高く、誰もが手軽に購入できるものではありませんでした。

「JINS」は企画から生産、流通、販売までを一貫して行う独自のSPA方式(製造から販売までを一つの流れとするビジネスモデル・製造小売業とも呼ぶ)を確立し、コストカットと大量販売を実現しました。

例えば、「メガネは分かりやすい価格帯で販売」「レンズの追加料金は無料」など、「JINS」が登場するまでアイウェア業界が成し得なかった価格帯でネガネを提供しています。低価格で明瞭な価格帯は消費者から指示を集めています。

②常識にとらわれない商品開発

JINSは「いいアイウェアとは「未来の景色を変えるもの」でなくてはいけない。」を信念に掲げています。アイウェアを通じて社会の先を見つめ常識にとらわれない商品開発をしており、下記のような数々の商品を生み出してきました。

【JINSが手掛けた商品の一例】

軽量アイウェアの確立メガネは窮屈で重いモノという固定概念を覆すために、空気のように軽いかけ心地の「Airframeシリーズ」を確立。累計販売本数は1,700万本を超えている(2009年9月~2017年1月末の累計販売本数)
機能性アイウェア市場の創出アイウェアは「ものを見る」だけでなく「目を守るもの」という新たな価値を創出
・パソコン作業用メガネ「JINS PC(現JINS SCREEN)」
・花粉から目を守る「JINS 花粉カット」
など現代人のニーズに合うアイウェアを展開している
センシング・アイウェア市場の創造スマートフォンとメガネを連携させてカラダとココロのケアに役立てる「JINS MEME」など機能性アイウェアを超える可能性に挑戦している

従来のアイウェアは「ものを見る」ためのアイテムでしたが、「JINS」では付加価値を加え現代人のニーズを兼ね備えたアイウェアを展開しています。

中でも、2015年より販売している「JINS MEME」は、ココロとカラダを可視化するアイウェアとしてセンサーを搭載しています。ものを見るだけでなく、カラダの状態を測定しアプリで可視化する機能が備わっているところが特徴です。

また、2023年1月には、サウナで使用できる「JINS SAUNA」を発売して注目を集めています。

このように、アイウェアの常識や機能の垣根を超えて、より良い未来に向けて商品開発を続けているところは「JINS」の実績だと言えます。

③顧客がワクワクする購入体験の提供

従来のアイウェア業界は店舗での販売が一般的でしたが、「JINS」では2007年よりECサイト「JINS ONLINE SHOP」を開設しています。当時は困難だと言われてきたオンラインでのメガネ購入を可能にして、いち早く新しい購入体験を提供しました。

その後は車に乗ったままメガネの購入ができる「ドライブスルーJINS」や移動型販売店舗「JINS VAN」など、今までにないメガネの購入体験を導入しています。

2019年には、メガネを装着したままメガネのバーチャル試着ができる「「MEGANE on MEGANE(メガネ オン メガネ)」やスマートフォン経由で手軽にコンタクトレンズが購入できる「TOUCH & COLLECT(タッチ アンド コレクト)」も開始しました。

また、2022年には太陽光パネルを設置しサステナビリティ推進を体現した店舗「JINS前橋小島田店」をオープンしています。手軽にメガネが購入できる、メガネの購入を楽しめる顧客との接点を構築し続けています。

田中仁の受賞歴一覧

田中仁の受賞歴

ここでは、田中仁さんが受賞した数々の賞を一覧でご紹介します。

【田中仁さんの受賞歴】

2010年田中仁第10回
アントレプレナー・オブ・ザ・イヤージャパン
Accelerating(アクセラレーテ ィング) 部門大賞
起業家の努力と功績を称える国際的な表彰制度
世界大会「ワールド・アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2011」の日本代表にも選出された
2011年田中仁第 36 回
経済界大賞 ベンチャー経営者賞
活躍したベンチャー経営者に贈られる賞
ビジネスモデルの変換と挑戦が評価された
2012年現 株式会社ジンズホールディングスDealWatch Awards 2012 Equity Issuer of the Year日本資本市場の育成や拡大に貢献した企業に贈られる賞
2013年現 株式会社ジンズホールディングス第5回
日本マーケティング大賞 奨励賞
マーケティング計画のもとに優秀な成果を遂げたプロジェクトに贈られる賞
機能性メガネという新たな市場を創出し縮小傾向にあるメガネ市場の活性化を担った
2013年現 株式会社ジンズホールディングス紺綬褒章国の褒章制度の一つで公益のために一定額以上の寄付をした場合に授与される
2018年一般社団法人田中仁財団イノベーションネットアワード2018 堀場雅夫賞地域産業の振興や活性化に優れた成果を出しているプログラムを表彰する制度
2018年一般社団法人田中仁財団アントレプレナージャパンキャンペーン 創業機運醸成賞創業希望者が少ないなかで起業家精神を高め、地域の創業に関心を持たせる継続的な取組を表彰する制度

株式会社ジンズホールディングスや田中仁さんは、ビジネスモデルや起業家としての実績が評価されいくつかの賞を受賞しています。一般社団法人田中仁財団では地域の活性化や創業への取り組みが評価されています。

田中仁のビジネスでの3つの偉業

握手するビジネスマン

ここまでご紹介してきたように、田中仁さんはビジネスで偉大な成果をあげています。とくに、下記の3つの点で大きな成果を残しました。

田中仁のビジネスでの3つの偉業

具体的にはどのようなことを成し遂げたのか、参考にしてみてください。

アイウェア市場への変革

田中仁さんは、アイウェア市場に大きな3つの変革を起こしたことが高く評価されています。

①独自のSPA方式を確立

従来のメガネは高価な医療機器として扱われており、手軽に購入することができませんでした。「JINS」では企画から生産までを一貫して行うSPA方式を導入し、中間マージンやブランド料などのカットを実現しています。

また、自社で企画から生産までを手掛けているからこそ、多様なフレームやレンズを用意できます。ニーズやトレンドに応じた商品展開ができ、消費者の心を掴んでいます。

②機能性アイウェアの創出

メガネは視力を補助するものという固定概念から逸脱し、メガネに付加価値をつけて新たな市場を開拓しました。例えば、ブルーライトカット機能を持つパソコン用メガネ「JINS PC(現JINS SCREEN)」は、発売から1年半で200万本以上を売り上げています。その裏には、目が悪くない人を市場に巻き込む新たな戦略がありました。

また、花粉症対策ができる「JINS 花粉Cut」は、花粉症対策とメガネの2つの機能が備わっているとして注目を集めました。このように、従来は検討できなかったメガネの可能性を広げ新たな市場を獲得してきたのは田中仁さんの功績だと言えるでしょう。

③多様な販売方法を導入

「JINS」は、2021年に47都道府県への出店を達成しました。過去にはいち早いオンラインショップやアプリの導入など、顧客が購入しやすい環境を常に模索し続けてきました。

また、海外にも店舗を出店しており、国内外の顧客が手軽に購入できるグローバルな展開をしています。

【「JINS」の店舗数(2022年8月時点)】

国内店舗数464店舗
海外店舗数235店舗

常に顧客との接点を更新し続け、ハードルが高かったメガネの購入を身近なものへと変化させました。

従業員が働きやすい環境の整備

田中仁さんは、従業員が働きやすい環境の整備にも力を注いでいます。具体的には、下記の3つの取り組みを実施しました。

①全国の従業員の給与を均一化

「JINS」は2022年9月より全国の準社員、パートのベース給与を東京水準で全国統一しました。地域による格差をなくし、どこでも伸び伸びと働ける環境を整えました。

②ジェンダーレスな制服にリニューアル

「JINS」では2022年7月より、ジェンダーレスな制服にリニューアルをしました。以前は男性用と女性用で制服が分かれていましたが、リニューアルにより統一されました。

③Every Day Feedback

行動指針を反映した行動について部署や職位を問わず、称賛や改善コメントを送信できる仕組みです。全社を横断し手軽に意見が言える風土を目指しています。

この他にも資格取得支援や各種休暇制度など、従業員だ魅力だと感じる制度が揃っています。従業員が前向きに仕事に取り組める環境を試行錯誤しているところも、ビジネスでの実績の一つだと言えます。

地域創生への挑戦

田中仁さんは経営者の枠に留まらず、生まれ育った群馬県前橋市の地域創生に挑戦しています。

田中仁の現在の4つのビジネス」で紹介した群馬イノベーションアワードや群馬イノベーションスクールなどを通じて、群馬県での起業家の発掘や育成に力を入れています。実際に年を重ねるごとに、起業を志す人の参加は増えているようです。

また、「前橋市には刺激がない」との声から前橋市でも刺激を提供したいと考え、2021年4月に「JINS PARK」をオープンしました。「JINS PARK」はまちづくりの拠点となる施設で、地域コミュニティーの創出を目指しています。

田中仁さんは地域社会と企業とのつながりを再構築していきたいと考えており、一般社団法人田中仁財団や株式会社ジンズホールディングス、そして個人とさまざまな接点で地域の活性化を推進しています。

田中仁のビジネスの格言

本の上に置かれたメガネ

最後に、田中仁さんの人柄が分かる3つの格言をご紹介します。

田中仁のビジネスの格言

田中仁さんのビジネスに関する考え方や人柄が分かる格言かと思います。ビジネスのヒントになる言葉でもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

自分の器以上の商売はできない

田中仁さんは、経営において「最終的には人がすべて」だと語っています。本当に売れる商品を作れば商品力で売れると考え、店舗には一切ノルマを設けていません。売上などの数値は、結果に過ぎないからです。人間が生み出す商品がよくなけば、長期的な成長は難しくなります。

では、どのように優れた商品を生み出せばいいのでしょうか。それは、自分自身の価値観や考え方の幅を広げることです。人は自分の器以上の商売はできません。商品そのものを伸ばそうと商品に注力をしても、その人自身の器を広げていなければ商品は伸びていきません。

田中仁さんは自分の器を広げるために仕事と遊びの垣根をなくし、自分らしく生きることを大切にしているそうです。商品やサービスを高めたいと思っている場合は、まずは自分の器を広げるところから始めてみましょう。

本気は自分への自己投資

田中仁さんは今までの仕事を通じて「本気になることは自分への自己投資」だと実感しているそうです。

本気になるとあらゆる手段を使い、主体的に学ぼうとします。そして、本気になると「これで大丈夫だろうか」と成功するための心配を抱くようになります。つまり、本気になると手を抜くことがなくなり、その結果自分にとってプラスとなるとてもシンプルな原理原則なのです。

田中仁さん自身もすべてのことに本気になれたのかと言えば、そうではなかったそうです。ただし、本気になれなかったことには必ずしっぺ返しが来たと語っています。だからこそ、本気になることは自分への投資だと自信を持って言えるとのことです。

ビジネスの成就には運や縁も必要ですが、本気にならなければ運も縁も巡ってきません。本気になることは、自分一人で今日からすぐに始められます。

「正しい正しくない」より「好き嫌い」

田中仁さんは正しいか正しくないかよりも「好き嫌い」が大切だと話しています。

田中仁さんは社外のデザイナーを選ぶときに、自分の考えに合うかどうか、好きか嫌いを大切にしているそうです。経営者が好きか嫌いかの軸が定まっていないと、ちぐはぐな選択をすることになります。売れるからではなく、自社のビジョンに合うか、好きか嫌いかを軸にすることでぶれない選択ができるそうです。

また、田中仁さんは人は感情の生き物であり、正しいか正しくないかではなく好きか嫌いかで動くものだとも話しています。ただ組織として考えたときには常に好き嫌いで仕事をすることはできないので、好きを嫌いにする工夫も重要だそうです。

嫌いだと感じたら自分の魂を向こう側に置き違う視点で見ることで、相手のことが理解できることがあります。そのような工夫をしながら、嫌いを好きに変えていくことも必要だと話しています。

まとめ

いかがでしたか?最後まで読み、田中仁さんのビジネスでの業績や人柄が理解できたかと思います。最後に、この記事の内容を振り返ってみましょう。

田中仁さんが携わっている主な4つのビジネス

①株式会社ジンズホールディングス 代表取締役CEO
②一般社団法人田中仁財団 代表理事
③日本通信株式会社/オイシックス・ラ・大地株式会社 社外取締役
④めぶくグラウンド株式会社 取締役

田中仁さんがビジネスで成し遂げた3つの偉業

①アイウェア市場の変革
②従業員が働きやすい環境の整備
③地域創生への挑戦

田中仁さんは株式会社ジンズホールディングスを始め、群馬県前橋市の地域創生や起業家育成など幅広い領域のビジネスに携わっています。今後の活躍から目が離せないでしょう。