高橋祥子さんをご存知ですか?数年前に「あいつ今何してる?」という番組に出演し、話題になったことでご存知の方も多いのではないでしょうか。
高橋祥子さんは、京都大学農学部出身の天才理系女子でした。大学院に進み、東京大学の博士課程在学中に起業した科学者であり生命科学やゲノムの研究者です。研究者が起業するのは非常に珍しいことから、大きな話題になりました。さらに、起業家としてだけでなく、研究者としても優れていて数々の賞を受賞しています。
本記事は、そんな高橋祥子さんのプロフィールや経歴、行っている事業などについて詳しくご紹介します。
高橋祥子のプロフィール
高橋祥子さんのプロフィール・略歴のまとめです。
プロフィール
- 名前:高橋 祥子(たかはし しょうこ)
- 生年月日:1988年生まれ
- 出身地:大阪府
- 最終学歴: 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程 修了
- 職業:株式会社ジーンクエスト 代表取締役社長/株式会社ユーグレナ 執行役員
高橋祥子さんの生年月日は生まれ年だけわかっています。また、個人遺伝情報取扱協議会理事を務めていましたが、現在は違うようです。東京工業大学非常勤講師も務めていた経験があるようでしたが、現在はホームページに名前が記載されていないのでわかりません。インタビューなどで明かしていたので事実だと思いますが、現在はしていないようです。また、科学技術振興機構統合化推進プログラム研究アドバイザーの経験もあるようです。
略歴
- 2010年:京都大学農学部卒業/東京大学院農学生命科学研究科入学
- 2012年:東京大学院農学生命科学研究科博士課程に進む
- 2013年:博士課程在学中に株式会社ジーンクエストを起業
- 2015年:大学イン農学生命科学研究科博士課程修了・博士号を取得
- 2016年:フォーブス30歳未満のアジアを代表する30人「30 Under 30 Asia」選ばれる
- 2017年:ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来を出版
- 2018年:株式会社ユーグレナ執行役員バイオインフォマティクス事業担当
- 2019年:Newsweek「世界が尊敬する日本人100」に選出
- 2021年:ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考を出版
高橋祥子の受賞歴
- 2012年:東京大学大学院農学生命科学研究科長賞
- 2013年:テクノロジー&ビジネスプランコンテスト優秀賞
- 2015年:リアルテックベンチャー・オブ・ザ・イヤー
科学技術への顕著な貢献2015(ナイスステップな研究者) 選定
経済産業省 第二回日本ベンチャー大賞 経済産業大臣賞(女性起業家賞) - 2017年:第10回 日本バイオベンチャー大賞 日本ベンチャー学会賞
- 2018年:世界経済フォーラム ヤング・グローバル・リーダーズ2018 選出
高橋祥子の経歴
ここからは、高橋祥子さんの幼少期からの経歴について詳しく紹介します。
厳しい家庭で育った幼少期
高橋祥子さんは、父親の仕事の都合で、5歳からの2年間をフランスで過ごした帰国子女です。厳しい家庭で育ったようで、バラエティ番組などは禁止されていました。そのため、アイドルや芸人の話ができず、同級生と話が噛み合わなかったといいます。読書が大好きでよくミステリーを読んでいて、子どもの頃の夢は漫画家だったそうです。
トランペットで大阪代表に
中学生の時には吹奏楽部に所属し、トランペットを演奏していました。まじめな高橋祥子さんは、吹奏楽部でも口から血が出るほど練習したそうです。その努力の甲斐もあり、高橋祥子さんはトランペットのソロで大阪府代表に選ばれました。高校入試でもトランペットで推薦をもらっていましたが、世界では勝てないと感じその道は諦めます
大阪府立北野高等学校に進学
高校は、大阪府立北野高等学校へ進学します。大阪府立北野高校は京都大学の進学率がとても高いことで有名です。偏差値は76で大阪の偏差値ランキングでも1位の学校です。卒業生には漫画家の手塚治虫さんや、弁護士で元大阪府知事の橋下徹さんなど有名な方が多数いらっしゃいます。
高橋祥子さんも優等生で、平均点40~50点の超難関校内テストで英語、数学で100点を取ったことがあったそうです。それだけ、頭が良いので同級生からも一目を置かれていて同い年ですが、祥子さんと呼ばれていました。また、先生たちからの印象も強く、後にテレビ番組の「あいつ今何してる」に出演することになります。
また、学年1位の成績を取ったこともあり、その時に父親からは「他人の評価を気にせず、自分の評価軸でおもしろいと思う世界を深く持て」と言われたそうです。その言葉をメモしてずっと自分に言い聞かせてきたそうです。。
研究者を目指すきっかけ
高橋祥子さんの親戚や家族は医者ばかりだそうです。父親も医者で、外科医をなさっています。お母様は医者かはっきりとは明かされていませんが、医者ばかりの家系ということで、恐らくお母様も医者なのではと考えられています。
研究者を目指すきっかけは、父親の影響です。父親と同じように医者を目指していたため、偏差値が高い大阪府立北野高等学校に進学しましたが、お父様の病院に見学に行き、病気の人たちをたくさん見た時に、治すだけではなく人が病気になる前になんとかできないかを考えたそうです。
幅広い視点で生命科学に関われたらと思うようになった高橋祥子さんは、京都大学農学部へ進学します。大学を卒業後は、東京大学院農学生命科学研究科修士課程に進みます。
大学院在学中に起業
高橋祥子さんは修士課程が終了するというときに一度就職を考えます。50社以上の採用選考を受けますが、すべて落ちたそうです。「30年後、うちの会社でどうなっていたいですか?」と聞かれても明確に答えられないことから、自身が採用面接や会社に属することに向いていないと気づきます。
そして、就職を諦めて博士課程に進みます。高橋祥子さんは博士課程修了後も生命科学やゲノムの研究を少しでも進歩させて、その価値を社会の課題解決に役立てたいという思いから研究者を続けるつもりでした。しかし、その中でヒトゲノムの研究を今よりももっと進歩させるためには、たくさんの人のデータが必要だと気づきます。
そこで、今ある研究成果をサービスという形で提供しながら、データを集めて研究を進めることができないかと考えます。仕組みを作らなければ、研究や研究成果が前進することはないと使命感を感じたそうです。
どうすればその仕組みを実現できるかと考えたときに「会社をつくること」が最適だと考え、ついに起業に至ります。起業したい、社長になりたかったわけではなく、手段として起業を選んだそうです。
大学院生時代は奨学金で生活していた高橋祥子さんは、起業するにあたり奨学金辞退の申し出をします。そのときに、「応援しているから、また学生に戻ったら奨学金を出してあげるよ」といわれたそうです。もし起業に失敗しても学生に戻るだけなので、だったらチャレンジしない方が損だと考えるようになります。
結果的に高橋祥子さんが起業したジーンクエストは上手くいきます。最初は、研究者と経営者との考え方や方法論にギャップを感じることもあったそうです。お金儲けが目的ではないと投資家の人に言うと、社長がそんなことを言う会社に投資したくないと叱られたこともあったそうです。
大学院在学中から、高橋祥子さんの研究は評価されていて様々な賞を受賞します。あの有名なTEDにもスピーカーとして登壇したことがあり、さまざまな雑誌などでインタビュー取り上げられています。
行っている事業まとめ
高橋祥子さんが行っている事業についてまとめました。現在はとても忙しいようで、以前されていた仕事もセーブされているようですが、現在も続けているかの事実確認はできませんでした。
高橋さんは過去に、東京大学大学院農学生命科学研究科博士研究員、科学技術振興機構統合化推進プログラム研究アドバイザー、東京工業大学非常勤講師、個人遺伝情報取扱協議会理事などを務められていたようです。
株式会社ジーンクエスト 代表取締役社長
株式会社ジーンクエストは、2013年に高橋祥子さんが立ち上げました。会社名のジーンは遺伝子、クエストの意味は探究だそうです。ジーンクエストは一般消費者に向けた本格的な遺伝子解析のサービスを提供している会社です。
サービスの概要は、遺伝子解析キットを購入し、自宅に届いたキットで自身の唾液を採取して送ります。すると後日、生活習慣病などの疾患リスクを含む約300項目の疾病、体質リスクに関わる遺伝子情報の解析結果をお知らせしてくれるというものです。
生活習慣病だけでなく、この遺伝子検査で、がん、骨粗しょう症、アルコールに強いか、記憶力などもわかります。価格は29,800円で、4~6週間で結果がわかります。そこまで高い金額でないうえに、手軽に遺伝子検査ができるのでヒットしています。
株式会社ユーグレナ 執行役員
株式会社ユーグレナでは、ミドリムシを活用したヘルスケアや化粧品などの開発・販売を行っています。高橋祥子さんは執行役員としてバイオインフォマティクス事業を担当しています。
ユーグレナの和名はミドリムシです。ミドリムシは動物と植物両方の特徴を持つ珍しい自然素材で、野菜や魚などに含まれるビタミン、ミネラル、アミノ酸、DHA、EPAなど59種類もの栄養素を持っている優れた素材です。
高橋祥子の推定年収
高橋祥子さんの年収は明かされていないので、わかりませんでした。推測のしようがないのか、推測されている方も見かけませんでした。金儲けよりもゲノムの研究を世の中に役立てたいと言う気持ちが強いので、そこまで儲けていないのではと思います。
高橋祥子は結婚している?
2019年に京大出身の方が高橋祥子さんの結婚をお祝いしたというツイートがあったそうです。結婚したとご本人から発表があったわけではないですが、2019年に結婚されたことがこのツイートからわかっています。
また、2022年現在は2歳になる娘がいると自身のTwitterで明かしています。2歳になった記念に写真を撮ってもらったようで、素敵な写真がアップされていました。
お子さんは2歳ということで、2020年に生まれたようです。現在は、育児と仕事を両立されているようです。一時期は大学の非常勤講師などさまざまな仕事をいていましたが、今は育児もあるのでしていないようです。
高橋祥子の評判
高橋祥子さんは本を出版しているので、その本の評価をまとめました。
ゲノム解析周辺の情報が平易に説明されている。反面、あまり突っ込んだことは書いてない。著者の会社の話が多く、宣伝のような印象を受ける。この分野を理解したいなら他にもっと良い書籍がありそうな気がする。
情報源が事態は目新しいものはなかったが、著者の高橋さんが、生命科学が好きで、社会との関わりをどうやって作っていくか?をとにかく考えているのがよくわかった。ステキな文章で出来ていたと思う
苦手意識があって遠ざけてたバイオ系の話について、これまでの流れと今後起こることをよく理解できた。この本の内容そのものも非常に刺激的であり勉強になったが、自分より若い年代の著者が、ここまで見識と考察が深いことにとても刺激を受けた。
素人には少し難しい
読みやすいが。読者層のターゲットはよくわからない
本の評価は賛否両論と、少し意見が分かれていました。ゲノム解析という難しいテーマを扱っているので、素人の一般人には少し難しいようです。遺伝子などを勉強していたり、興味があったりする方からは「読みやすい」、「面白い」などの評価がたくさん寄せられています。
まとめ
高橋祥子さんは、高校生の頃から生徒からも先生からも一目を置かれる天才理系女子でした。高校のときから頭がよく、その頭も良さを活かして現在もゲノムの研究を社会に役立てています。今後の研究にも期待です!