加納裕三の経歴/年収/評判は?ビットコイン消失事件からの復活!

  • 2022年5月8日
  • 2023年1月25日
  • 社長

加納裕三さんは、仮想通貨の国内取引所、国内販売所を運営するbitFlyer(ビットフライヤー)の創業者です。現在は取引所事業の代表を退任し、株式会社bitFlyer Holdingsの子会社である株式会社 bitFlyer Blockchainの代表として、インターネット以来の情報革命とされているブロックチェーン技術の開発・普及のための活動をされています。

2014年にビットフライヤーを設立し、国内の仮想通貨業界の牽引役として活動してきた加納さんですが、2022年の株主総会では社長復帰が否決されてしまいました。

本記事では、加納裕三さんの経歴や現在の活動についてご紹介します。いち早く仮想通貨に目をつけて起業した加納さんですが、他社の巨額流出事件のイメージ悪化や金融庁からの業務改善命令、短期間での取締役の複数回交代など、順風満帆な事業運営とはいえない状況が現在も続いています。記事内では、そんな加納さんの苦悩の裏側まで分析していきます。

加納裕三とは

加納裕三さんは、利用者数200万人を超える仮想通貨取引所「ビットフライヤー」の創業者です。現在はグループ企業の代表を人に任せ、自身はブロックチェーンの開発・普及を手がける子会社の代表をつとめています。

東京大学大学院を卒業しゴールドマン・サックス証券やBNPパリバ証券などの花形トレーダーとして活躍をしたのち、日本で3番目の仮想通貨取引業者である「ビットフライヤー」を設立しました。お笑い芸人の松本人志さんが出演するTVCMは大きな話題となりましたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

プロフィール

  • 氏名:加納裕三(かのう ゆうぞう)
  • 生年月日:1976年(昭和51)11月21日
  • 出身:愛知県
  • 学歴:東京大学理科一類 卒業/東京大学大学院工学系研究科 卒業
  • SNS:Twitter:9.6万人

※2022年4月1日時点

略歴

  • 2001年:ゴールドマン・サックス証券入社
  • 2004年:BNPパリバ証券
  • 2007年:ゴールドマン・サックス証券
  • 2014年:株式会社 bitFlyer設立/一般社団法人日本ブロックチェーン協会設立
  • 2017年:アメリカ法人設立
  • 2018年:欧州法人設立
  • 2018年:一般社団法人日本暗号資産取引業協会の副理事を退任
  • 2018年:ビットフライヤーの代表取締役を退任
  • 2018年:株式会社bitFlyer Holdings設立
  • 2019年:株式会社 bitFlyer Blockchain設立代表取締役就任
  • 2022年:株式会社 bitFlyerへの社長復帰否決

bitFlyer設立と同時に日本ブロックチェーン協会も創設し、2016年に施行された仮想通貨法の法整備にも尽力してきた加納さん。業界の整備やブロックチェーン技術の普及に邁進してきた加納さんですが、他社で発生した横領事件のせいで詐欺師呼ばわりされたり、金融庁から業務改善命令を受けたりと、世間からの見え方・印象は努力と反比例した方向に向かってしまいます。

2022年に社長復帰が否決されたタイミングでTwitterに投稿した「バイバイ」というセリフは、「とうとう買収されるのか」とささやかれるなど業界内で大変な話題となりました。会社では緊急で訂正のプレスリリースを出すなど対応に追われています。

加納裕三の推定年収

国内だけでなく米国や欧州にも支店があるグループ企業ビットフライヤー創業者である加納裕三さんの年収は、非公開となっています。ですが、インタビューで「ウチの会社には2,000万円プレイヤーがゴロゴロいる」と話している通り、自身も3,000万円~4,000万円ほどの年収を受け取っていたのではと推測できます。

また、2022年4月には日本やシンガポールを拠点にする投資ファンド「ACAグループ」による買収が報道されています。買収額は450億円と報道されており、仮に加納さんの持株比率が30%の場合、株式売却額は135億円にのぼります。

ビットフライヤーは創業8年の会社ですから、株式売却額から創業年を割った平均年収は16.8億円です。本記事執筆時点では買収は決定事項ではないようですが、実現すればとてつもない金額を稼ぐことになりそうですね。

加納裕三の経歴

ビットコイン

ここからは、加納裕三さんの学生時代からビットフライヤー創業までの経歴を紹介します。

幼少期から物理にのめり込む

小学生の頃からパソコンに興味をいだき、プログラミング雑誌にある情報から見よう見まねでゲームを自作するなど、根っからの理系男子であった加納裕三さん。特に物理が好きで、相対性理論の解説書を愛読していたのだとか。

東京大学・大学院では流体力学を専攻し、飛行機やロケットなどの研究に勤しみます。飛行機は大学の研究分野でもあったため、LCCのような低価格航空事業での起業も考えたことがあったそうですが、その頃は1機数十億円もする飛行機を購入する資金のあてもなく、諦めたのだそうです。学生時代から、何かしらで起業をしたいという想いはあったようですね。

ゴールドマン・サックスに入社

大学院を卒業した加納さんは、外資最大手のゴールドマン・サックス証券に入社します。システム開発部門のエンジニアとして3年ほど勤めました。証券会社の花形といえばトレーダーで、加納さんも社内で異動を要望していましたが、その当時は空いているポストはありませんでした。そのため、欧州のメガバンクBNPパリバ証券でトレーダーとしてのオファーを受けたタイミングで1度転職を果たします。

トレーダーとして腕を磨いた3年後、今度はトレーダーとしてゴールドマン・サックス証券に再入社します。夢にまで見た職業についた加納さんですが、利益追求へのプレッシャーは物凄く、世界一の現場は相当ハードな環境だったようです。

ビットコインに魅せられビットフライヤーを起業

加納さんがビットコインに出会ったのは、ゴールドマン・サックス時代の2010年に遡ります。世界のあらゆる情報を収集して利益追求する環境のため、ビットコインの存在は社内でも話題になっていたそうです。

当時は「所詮おもちゃのお金」との認識を持っていた加納さんでしたが、調査を進めていくうちにブロックチェーン技術の革新性に驚いてはいました。2013年には1ヶ月で10倍以上価格上昇することもあり、徐々にビットコインに魅せられて行きます。

ビットコインに確信を得たのは2013年11月。アメリカの中央銀行FRBの当時の議長バーナンキ氏の「ビットコインは長期的な可能性を秘めている」というビットコイン容認発言を受け、加納さんはビットコインが次世代の革命を担う存在であることに確信を持ちました。その3ヶ月後の2014年1月には、ゴールドマン・サックスを退職してビットフライヤーを創業します。

創業して間もなくビットコイン消失事件が発生

2014年1月にビットフライヤーを創業しますが、同じ年にビットコインに関する大事件が発生します。マウントゴックスによるビットコイン消失事件です。85万ビットコインが消失した事件で、当時の価値にして450億円が消失したとされています。

ビットコインは終わるだろうと思った加納さんですが、ブロックチェーン自体への信頼は揺らがなかったため、残った資金でひたすらビットコインを購入していたそうです。ただ、やはり一度ついえた信頼はなかなか取り戻せません。以降2015年になっても1日の売上2000円、鳴かず飛ばずのまま2年の月日が経ってしまいます。

ただ、2015年の後半からビットコインに対する世界の見方が徐々に変わってきました。2015年に米国の起業R3が世界の金融システムの基準を発表したのをキッカケに、2016年には国内でも仮想通貨規制を盛り込んだ改正資金決済法が成立します。世界が再び注目したのと、国内の法整備が進んだことが相まって、ビットフライヤーは急成長を遂げます。2016年は取引高国内No.1、資本金で世界2位の取引所となりました。

世界2位の取引所に!

現時点で未上場のビットフライヤーですが、資金調達も含めて着実に資産を積み上げています。累計資金調達額は41.2億円、総資産は3,100億円になっています。ビットフライヤーの累計利用者数も200万人を超えており、名実ともに国内最大級の取引所となりました。

エリート街道を進むも、起業直後の大事件で1日売上2,000円の大苦境に陥ります。ときに詐欺師と罵られてもブロックチェーンを信じて諦めずに貫いたことで、誰にも予想できなかった大きな成果を残すことに成功しました。人が羨む才能と実績をもってしても、最後に結果を出すのは諦めない気持ちと強さなのだなと思い知らされます。

ゴールドマン・サックスの同僚も、2014年には怪しいことはやめておけと助言をくれたようですが、今ではぜひ投資させて欲しいと声をかけてくれるそうです。

加納裕三の展開している事業

契約をするビジネスマン

加納裕三さんが展開している事業をご紹介します。

ビットフライヤー

ビットフライヤーは、国内最大の取引量を誇る仮想通貨取引所です。芸人の松本人志さんが出演するTVCMでも話題になりました。業界最長の7年以上ハッキングの被害がなく、安全性が売りの取引所となっています。

取引所・販売所

ビットフライヤーでは、販売所の売買手数料無料、取引所での取引手数料無料、三井住友銀行からの振込手数料が無料なので、お得に取引を始めることができます。

ポイント交換

ビットフライヤーの創業当初から、貯めたポイントとビットコインを交換できるサービスを展開していました。2019年にはTポイントをビットコインに交換できるようになり、さらに利便性が向上しています。

クレジットカード

2021年に、日本初のビットコインを貯められるクレジットカードをリリースしました。クレジットカードの利用で利用額の0.5〜1%がビットコインとして還元され、ビットフライヤーの口座へ貯めることができます。

miyabi

仮想通貨の土台はブロックチェーンと呼ばれる技術・構造によって形作られています。加納さんは日本独自のブロックチェーンとして、2016年に「miyabi」を開発しました。純国産技術として、すでに大手企業との活用事例もあります。

miyabiの特徴

プラットフォーム型ブロックチェーンです。既存のプラットフォーム型チェーンの欠点を補完・改良した技術を取り入れることで、処理スピード向上、安全性の確保、柔軟なカスタマイズ性を実現しました。

miyabiで出来ること

miyabiの技術を用いた新トークンの発行、契約等のおける本人確認、契約の電子化、物流の追跡や品質証明、著作権管理、マーケティングにおける情報分析など、ビジネスの電子化促進のサポートを行います。

miyabiの活用事例

積水ハウスでの賃貸不動産管理、保険会社にて書類の電子化で事務作業の効率化、製造業にて企業間取引やリース契約などで社内コインを使用など、すでにmiyabiの技術を利用したサービス展開が広がっています。

加納裕三の噂や評判

加納さんの経営するビットフライヤーですが、2020年から4度も社長が変わっており、会社を怪しむ噂が増えてきました。2018年に業務改善命令の責任を取って加納さんは辞任しますが、その後も2020年に平子氏退任、21年に三根氏退任、22年に林氏退任、現在は4人目の関氏が代表を勤めています。いずれも一身上の都合が理由ではありますが、一部では感情の起伏が激しい加納さんとの折衝に対する疲弊が原因なのではともささやかれています。加納さんの社長復帰否決や買収報道など、経営体制には少し不安定さがあるようです。

加納裕三のSNS

加納裕三さんのSNSはTwitterとFacebookが存在しました。

Twitter

Facebook

まとめ

国内の仮想通貨業界を牽引する企業ビットフライヤーの創業者、加納裕三さんをご紹介しました。今後の上場の可能性はあるのか、加納さんがビットフライヤーの代表に返り咲く日はあるのか、注目ですね。