石川康晴(いしかわ やすはる)さんは、earth music&ecologyやKOEなどのアパレル会社で有名な株式会社ストライプインターナショナルを創業した実業家です。
2020年に一部のマスコミからの報道によって世間を騒がせてしまったため、ストライプインターナショナルの社長を辞任しています。
現在は、投資会社のイシカワホールディングス株式会社を設立して、パン屋やフィットネス事業などの投資活動を行っています。
数々の功績を残しているからこそ、どういった経緯で成功してきたのか気になりますよね。
石川康晴さんの生い立ちから事業成功に至るまで、以下のような道のりがありました。
・【幼少期~専門学校】服飾に興味を持つ環境からアパレル業界を志す
・【就職~退社】アパレル会社を起業する知識を得るために紳士服チェーンに就職する
・【1994年~1998年】地元岡山で「有限会社クロスカンパニー」を起業する
・【1999年】売上減や赤字、大量離職による倒産危機といった挫折を味わう
・【1999年~】ストライプインターナショナルの前身「earth music & ecology」を立ち上げ成功を収める
石川康晴さんは上記のような功績を残しているのに、なぜ辞任したのか、現在はどういったビジネス・活動をしているのか詳しく知りたい方もいるでしょう。
そこでこの記事では、石川康晴さんを深く知るために、ニュース記事やメディアのインタビュー、本人が出している書籍など、確かな情報を元に詳しくご紹介します。
・石川康晴さんのプロフィールや経歴
・生い立ち〜事業成功までの軌跡
・なぜ石川康晴さんが辞任したのか・現在行っているビジネス
・社会貢献など多彩な活動実績
・趣味・交友関係
・数多く成功している理由
この記事を最後まで読めば、石川康晴さんのビジネスパーソンとしての実績や人柄が理解できるはずです。自分のキャリア設計などの参考になる点もあるかと思いますので、じっくりとご覧くださいね。
石川康晴とは?プロフィール・経歴
まずは、石川康晴さんのプロフィールや経歴を簡単にご紹介します。
冒頭でも触れた通り、石川康晴さんは、earth music&ecologyやKOEなどのアパレル会社で有名な株式会社ストライプインターナショナルを創業し、成功した実業家です。
現在は、株式会社ストライプインターナショナルを辞任し、主要株主という立場にいます。また、イシカワホールディングス株式会社という投資会社を設立し、パン屋やフィットネス事業、ワイン事業などへ投資活動を行っています。
公益法人石川文化振興財団の理事長として、地元岡山に社会貢献する活動も行っています。
【プロフィール】
名前 | 石川康晴(いしかわやすはる) |
生年月日 | 1970年(昭和45年)12月15日 |
出身地 | 岡山県岡山市 |
血液型 | A型 |
学歴 | 1989年:岡山県立岡山南高等学校卒業 2012年:岡山大学経済学部卒業 2018年:京都大学大学院経営管理教育部卒業 |
家族構成 | 妻・子供の有無は不明 |
趣味 | アート・マラソン・料理・映画・音楽・テニス |
受賞歴 | 2017年:経済界大賞のライジング賞受賞 2018年:第47回ベストドレッサー賞特別賞受賞 2019年9月:紺綬褒章受章(西日本豪雨災害への災害支援及) 2021年2月:紺綬褒章受章(備前長船刀剣博物館の施設整備に貢献) |
来歴 | 1994年:レディースセレクトショップ「CROSS FEMME」をオープン 1995年:有限会社クロスカンパニーを設立 1999年:「earth music&ecology」事業開始 |
現職 | イシカワホールディングス株式会社 代表取締役社長 株式会社Merci 代表取締役会長 株式会社Waistline Group 代表取締役会長 tetta株式会社 代表取締役会長 公益法人石川文化振興財団 理事長 |
著書 | アース ミュージック&エコロジーの経営学 学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」 |
石川康晴の生い立ち〜事業成功まで
石川康晴さんの生い立ちから、事業成功に至るまでの軌跡をご紹介します。
【生い立ち】
幼少期~専門学校 | 服飾に興味を持つ環境からアパレル業界を志す |
就職~退社 | アパレル会社を起業する知識を得るために紳士服チェーンに就職する |
【事業のヒステリー】
1994年6月 | レディースセレクトショップ「CROSS FEMME」をオープン |
1995年2月 | 有限会社クロスカンパニーを設立 |
1999年 | 売上減や赤字、大量離職による倒産危機といった挫折を味わう |
1999年9月 | earth music&ecologyを立ち上げる |
2001年2月 | 株式会社クロスカンパニーへ組織変更 |
2004年10月 | 香港展開 earth music&ecology 香港FC店をオープン |
2005年10月 | Green Parksを立ち上げる |
2007年3月 | 直営100店舗突破 |
2010年2月 | earth music&ecology ブランドキャラクターに女優の「宮﨑あおい」さんを起用 |
2014年 | SCENT OF Varo、KOE、BLOCK natural ice creamを立ち上げる |
2015年9月 | ファッションサブスクリプションサービス「メチャカリ」をスタート |
2017年2月 | 株式会社ストライプデパートメントを設立 |
2019年 | 神田沙也加さんが手掛けるレーベル「Maison de FLEUR Petite Robe canone」ブランドを開始 |
2020年 | D2C事業を開始 |
石川康晴さんが、事業成功するにあたって、どのような道を歩んできたのか、どう行動してきたのかが理解できます。
参考になる点もあると思うので、じっくりと確認してみてください。
【幼少期~専門学校】服飾に興味を持つ環境からアパレル業界を志す
石川康晴さんは、服飾に興味を持つ環境をきっかけに、アパレル業界で起業をすることを志すようになりました。
なぜ、幼いころから服飾に興味を持ち、アパレル業界を志すようになったのかというと、石川康晴さんの家庭環境や服飾に携わる人との出会いに理由があります。
以下の出来事がきっかけで、高校卒業後に服飾の専門学校へ通うことになり、本格的にアパレル業界への道へ足を踏み入れました。
①子供のころから服飾に興味を持てる家庭環境だった
石川康晴さんは、子供のころから服飾に興味がでる環境で育ちました。
祖母は日本舞踊の師範です。お盆やお正月になると、親戚が大勢の人が集まり、着物や帯の生地や色あわせで盛り上がっているのを見るのが日常の家庭環境でした。楽しそうに話す大人の姿を見て、服に興味を持ちました。また、石川康晴さん自身が洋服を着ることで祖母や母から「おしゃれだね」と褒めてもらうのが嬉しかったそうです。
このような環境から服飾に興味を持ちました。
②洋服屋の一言がきっかけ
石川康晴さんが、アパレル業界で起業を志すようになったきっかけは、洋服屋の人の一言がきっかけです。
石川康晴さんは、小学6年生の時に初めてお年玉で洋服を買い、中学2年生の時には、お年玉を全部使ってしまうほどでした。
リクルートが運営する職業ジャーナルの起業家インタビューによると、
『お店の人に「そんなに洋服が好きなら、自分で洋服屋をやればいい」と言われたことを真に受けちゃったんです』
(引用:https://journal.rikunabi.com/p/career/entrepreneur/9581.html)
と答えています。
子供のころから服飾に強く興味を持ち、実際に服飾に携わる人とのやり取りがきっかけで、起業してアパレル業界を志すようになりました。
【就職~退社】アパレル会社を起業する知識を得るために紳士服チェーンに就職する
石川康晴さんは、専門学校卒業後、自身のアパレル会社を起業するための知識を得るために、紳士服チェーンに就職します。
百貨店や婦人アパレルからも内定が出ていたようですが、なぜ紳士服チェーンだったかというと、当時は一番勢いのある会社だったからです。急成長中の会社で、自分を成長させられると考えていたようです。
入社後は、自身を「どこまで成長させられるか」、「挑戦できるか」を真っ先に考え、「会社に居過ぎだ」と叱られるほど、働いていました。
石川康晴さんは、起業のための知識を得るのが目的でした。入社して2年半ほど経った日に上司からの「課長にならないか」の一言がきっかけで目標達成と確信し、退社します。
【1994年~1998年】地元岡山で「有限会社クロスカンパニー」を起業する
石川康晴さんは、レディースセレクトショップ「CROSS FEMME」をオープンし、地元岡山で「有限会社会社クロスカンパニー」を起業します。事業をスタートしたのは、わずか4坪ほどの店でした。
学生時代から複数のアルバイトを掛け持ちして貯めた貯金と、会社員時代の給料を合わせた300万円を資金で立ち上げました。
起業当初は、国内のメーカーからは相手にされず、年齢や経験の浅さを理由に仕入れることは困難でした。
そんな中、石川康晴さんは海外に目を向け、月に一度フランスやイギリスまで買い付けに行っていたそうです。自分の企業に対するビジョンを熱く語った結果、卸してもらえるメーカーを見つけることに成功しました。
こういった努力の結果から、日本にはまだ入ってきていない珍しいブランドを店頭に並べていました。
「ここでしか買えない」と自然と顧客に広まり、オープンから3年ほどで、地元岡山だけでなく、四国や中国地方から買いにきてくれる人がいるほど、商圏が広がり成功を見せています。
初年度には売上4,000万円、翌年には売上1億円を記録しました。
【1999年】売上減や赤字、大量離職による倒産危機といった挫折を味わう
順調にセレクトショップを運営していた石川康晴さんは、売上減や赤字、大量離職による倒産危機といった挫折を味わうことになります。
売上をあげるために商品単価をあげていったところ、最終的には価格が今までの3倍ほどまで上がってしまい、客離れが深刻になったことが原因です。
このような方針についていけず、同時期に10人の社員が離職し、社員は石川康晴さん含めて4人になってしまいました。4店舗を4人で回さなければならない状況です。
お客様は離れ、在庫過多に陥り、倒産寸前の挫折を味わうことになりました。
【1999年~】ストライプインターナショナルの前身「earth music & ecology」を立ち上げ成功を収める
上記の挫折にも負けず、石川康晴さんは、皆さんご存じのストライプインターナショナルの前身「earth music & ecology」を立ち上げて成功しました。
大きく成功した実績を3つ見てみましょう。
①挫折からSPAへ切り替え成功
石川康晴さんは、挫折からSPAへと切り替え、成功しています。
先ほどもご紹介した通り、これまでは欧州での買い付け方針を行っていました。新たに立ち上げた「earth music & ecology」では、SPAのビジネスモデルを採用し運営を成功させています。
新たにSPAを始めることは、それなりの資本力や安定した基盤がないと厳しいです。しかし、石川康晴さんは、PARTERのインタビューでこう答えています。
「各工場に事業戦略や熱意を伝えて協力をお願いしました。アパレル業界は月末締めで翌月末に支払を行う30日サイトや月末締めで翌々月20日に支払いを行う50日サイトというのが一般的なのですが、中にはかなり異例ですが60日や90日の工場があって、そういった工場の協力の下大きな資本がなくてもどうにか始めることができました」
(引用:https://partner-web.jp/article/?id=1435)
代金を支払うまでの猶予期間が長い60日や90日の工場を見つけ、事業戦略を熱く語ったそうです。熱意が伝わった結果、資本がなくてもSPAを始めることができました。
②倉敷市のオリジナル素材のデニムがヒット
SPAを始めたころ、倉敷市の児島でオリジナル素材のデニムを開発し、女性に似合うスキニーデニムを作り、成功を納めています。
岡山は「デニムの聖地」と呼ばれる歴史があります。地元の素材を生かして、美脚に見えるシルエットが人気を集め、国内のスキニーデニムの先頭を走るものとなりました。
スキニーデニムを履いたことがない人でも買うほど、SNSでも評判になっていました。
③CMに宮崎あおいを起用し認知度を向上
2010年には、CMに宮崎あおいさんを起用して「earth music & ecology」は若い女性を中心に認知度を上げていきました。
当時から宮崎あおいさんは、earth music & ecologyがターゲットとする若い女性に人気がある女優です。彼女を起用したことによって、ブランディングに成功し、多くのおしゃれ好きな女性から支持されるようになりました。
2020年3月ストライプインターナショナルを辞任する
石川康晴さんは、2020年3月に社長を辞任しています。
クロスカンパニーは、2016年に「株式会社ストライプインターナショナル」に社名変更を行い、2019年度には売上高1,300億円を突破し、順調にも関わらず辞任しています。
石川康晴さんは「一部のマスコミからの報道によって世間を騒がせてしまい、会社にとってマイナスの影響になるから」という考えから辞任を決断しました。
その後、ストライプインターナショナル代表取締役には「立花隆央さん」※が就任しています。※立花隆央さんは、2023年1月31日に退任
ストライプインターナショナル代表取締役の辞任からしばらくは、筆頭株主として約8割の株式を保有していました。
しかし2022年3月に、筆頭株主の立場から離れています。ティーキャピタルパートナーズが運営する投資ファンドが、ストライプインターナショナルの全株式を取得したと明らかにしています。
その後、個人のお金で再出資し、主要株主として約25%の株主を保有しています。
主要株主になったものの、現在は「現在の石川康晴の3つのビジネス」でご紹介する、新会社イシカワホールディングスの経営に注力しており、ストライプインターナショナルの経営には参加していない模様です。
現在の石川康晴の3つのビジネス
石川康晴さんの現在を行っているビジネスとその実績についてご紹介します。
冒頭でもお伝えした通り、2021年に投資会社のイシカワホールディングス株式会社を設立して、パン屋やフィットネス事業などへ投資活動を行っています。
イシカワホールディングスの概要
イシカワホールディングスとは、石川康晴さんがこれまでの社長経験を活かし、小売業のベンチャー企業を中心に投資をしている、投資会社です。
個人やベンチャーに5年で約50億円を起業や事業拡大のために支援し、石川康晴さん自身も役員として経営に参画しています。
具体的には、会社設立前や設立後を中心としたアーリーステージでの投資をメインに行い、専門的な技術を持った起業家を支援していくことを使命としているそうです。
20年後には、事業会社100社、持株会社としてグループ売上1兆円を目標としています。
【会社概要】
会社名 | イシカワホールディングス株式会社 |
代表者 | 石川康晴 |
会社概要 | 投資、設立支援、経営管理、コンサルタント、グループ全体の経営戦略の策定・推進 |
設立 | 2021年 |
本社所在地 | 〒703-8238 岡山県岡山市中区住吉町2丁目69番地1 |
公式ホームページ | http://www.ishikawaholdings.com/ |
具体的に、どのような事業の投資活動をしているのかご紹介します。
順番に見ていきましょう。
【株式会社Merci】エシカル志向の「パン屋」
石川康晴さんは、健康エシカル志向のパン屋である「Merci life organics」を運営する株式会社Merciに出資しています。
【会社概要】
会社名 | 株式Merci |
設立 | 2021年7月 |
代表者 | 石川康晴(代表取締役会長) 渡邊大(代表取締役社長) |
店舗 | 1号店:メルシーライフオーガニックス練馬店 2号店:メルシーライフオーガニックス岡山天神店 3号店:メルシーライフオーガニックス岡山一番街店(2023年3月~) 4号店:メルシーライフオーガニックスイオンモール倉敷店(2023年4月~) |
人気なパン | Merci クロワッサン 税込279円 有機くるみ&チョコチップスコーン 税込299円 牛すじ入メルシーチーズカレーパン 税込249円 ※価格は2023年2月に調査したものです |
公式ホームページ | http://mercilifeorganics.com/ |
Merci life organicsは、「オーガニック&ラグジュアリー」をテーマに作られているパンです。
無農薬や無化学肥料の小麦粉、有機栽培された食品など自然由来の原材料を使用。さらに、フランス産発酵バターや北海道産発酵バターなどの高級食材を可能な限り使用し、子どもや高齢者でも安心して食べられるパン屋を目指しています。
石川康晴さんは、ただ出資するだけでなく、代表取締役会長に就任し、マーケティング戦略を行っています。取材でも以下のように語っています。
「マーケティング戦略を僕がシェフに伝える。それを受けてシェフがレシピ開発をする。いわゆる戦略と技術の融合がメルシーライフオーガニックスの強み」
(引用:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00931/)
ここでは、石川康晴さんがいかに、成果を上げているか知るために、どういった販売戦略を行っているのか見てみましょう。
①パンに関する研究論文を5冊熟読しシェフと共有
石川康晴さんは、販売戦略するにあたって、パンに関する研究論文を5冊読み、すべての共通点をシェフの渡邊大さんに伝えています。
この共通点を用いて、1日または1週間の中で展開するパンの種類を変えているそうです。
理論的に、売れるパンを確認し、店頭に並べるようにしています。
・朝…あんぱん・クリームパン・メロンパン・食パンなどソフトなパン
・夜…主菜やお酒に合う肉まんやピザパンなどのハードパン
平日…あんぱん・食パンなどのソフトよりのパン
週末…ピザパンなどハードよりのパン
自身の体感ともずれていないことを確認し、石川康晴さんと渡邊大さんは、2ヶ月間の合宿で約50種類のレシピを開発し、現在は35種類に絞って店頭に並べています。
パンに関する理論や知識を1から研究し、販売戦略にすぐに取り入れる行動力・実行力の高さがうかがえます。
②「Merci life organics」のブランディングに合うターゲティング戦略
「Merci life organics」のブランディングに合うターゲティング戦略を行っています。
章の冒頭でも述べましたが、「子どもでも高齢者でも安心して食べられる健康志向のパン作り」を行っています。
具体的には、店頭に並べるパンの1つ1つに、このようなエシカル志向に当てはまるターゲットを2番目の客層まで想定して開発しています。
第1ターゲット…時短料理を好む働く女性
第2ターゲット…シングルのシニア女性
例えば、忙しく働く女性は、なるべく時短で料理をしたいが健康面も気を付けたいと思っています。また、シングルのシニアの女性は、子どもや配偶者がいるときはちゃんとご飯をたくさん作っていたが、1人になると食材が余るため、惣菜や弁当を買うことが多いです。
どちらのターゲットも、健康面や豊かな食生活を求めています。
石川康晴さんが手がける、ブランディングに合うターゲティング戦略がマッチし、成功を収めています。
今後は、日本中の食卓に健康志向のパンを届け、全国1,000店舗の規模まで拡大したいと考えています。2023年の3月・4月に岡山市と倉敷市に3号店・4号店をオープンし、事業拡大も順調に進んでいるようです。
【株式会社waistline Group】シニア向け「フィットネス」
【会社概要】
会社名 | 株式会社Waistline Group |
設立 | 2022年2月 |
代表者 | 石川康晴(代表取締役兼CEO) 時野谷光弘(代表取締役社⻑兼COO) |
資本金 | 4,000万円 |
店舗 | イトーヨーカドー東久留米店 ラスカ平塚店 岡山津島店 |
料金体系 | 入会金:22,000円 月額:10,780円 パーソナル1回:3,080円 |
公式ホームページ | http://www.waistline.jp/ |
waistline Groupは「女性限定、40分だけ、50歳からのウエストラインフィットネス」をキャッチコピーに運営し、シニア女性をターゲットとしています。現在は、会員の平均年齢は65歳とターゲット通りシニア層に人気を得ています。
石川康晴さんは、こちらの事業でも出資をするだけでなく、経営やマーケティング戦略を行っています。具体的に、見てみましょう。
①シニア市場でのブランドづくり
1つ目は、先ほどもご紹介しました「女性限定、40分だけ、50歳からのウエストラインフィットネス」といった、シニア市場でのブランド構築です。
シニア市場でのブランド構築に至った理由は、服飾業界に足を踏み入れるきっかけとなった、寝たきりになった祖母の様子からです。
「祖母が生前10年間寝たきりになり、家族総出の介護をしていた。日舞の師範として多くの弟子を抱え、かくしゃくとしていた祖母が膝を痛め、次第に動けなくなっていく姿を目の当たりにした。起業家として、寝たきりの高齢者を減らせないかと考えた」
(引用:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00672/00008/?n_cid=nbpnxr_fbed_new)
という実体験から、老後も日常的に外出できるような健康づくりの手伝いがしたいと経営を行っています。
超高齢化社会と言われる日本人女性の平均年齢は87歳といわれています。しかし、日本人女性の健康寿命は、75歳です。
上記の平均年齢と健康寿命から単純に考えると、健康寿命が過ぎた12年間は何らかの疾患を持っていることになり、体力を維持するのも難しくなります。さらに、女性の筋肉量は50歳前後から減りやすいというデータから「50歳から」とコンセプトを構想に開始しています。
プログラムは、シニア向けに開発されているものの、スタジオデザインや音楽などは年齢を感じさせない作りとなっています。心も体も若返る空間づくりを心がけています。
②地域の1番人気のショッピングモールと組んで事業を展開
石川康晴さんは、地域の1番人気のあるショッピングモールと組んで事業を展開しています。
なぜなら、人気があり売上が高いショッピングモールでは、高齢者比率が高いからです。
実際にイトーヨーカドー東久留米店を1号店に決めた理由として、取材で以下のように語っています。
「総合スーパー(GMS)の売り上げが20億円以上のところは高齢者比率が高いというデータがある。イトーヨーカドーの中でも比較的売り上げが高い店舗をリサーチしていたところ、たまたま東久留米店でワークスペースが見つかった」
(引用:https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00672/00008/?n_cid=nbpnxr_fbed_new)
シニア層は、自宅から近い範囲での行動を好んでいます。店舗を何軒も回るよりも、多くの品がそろう1つの店で買い物を済ませたいニーズが高く、理にかなっているといえます。
今後の店舗拡大でも、関東地方ではイトーヨーカドー、関西ではイオン、広島県内ではゆめタウンなど、全国各地の各地域で1番人気のあるショッピングモールと手を組んで出店を続ける予定があり、さらなる事業成長が見込めるでしょう。
【tetta株式会社】岡山のぶどうを使った「ワイナリー」
石川康晴さんは、地元岡山のぶどうを使ったワイナリー「tetta株式会社」に出資しています。
tettaは、ワイナリーとそれに隣接するレストランを運営しています。
【会社概要】
会社名 | tetta株式会社 |
設立 | 2009年12月 |
代表者 | 高橋竜太(代表取締役) 石川康晴(代表取締役会長) |
資本金 | 8,800万円 |
本社 | 岡山県新見市哲多町矢戸3136 |
保有施設 | ぶどう畑(10ha)、集出荷場、従業員寮 |
公式ホームページ | https://tetta.jp/ |
tettaのぶどう畑は、まるでヨーロッパのような自然が広がる風景が広がっています。
岡山県北西部にある新見市哲多町にあり、標高400mの山の頂上にあります。岡山県は「晴れの国・岡山」といわれる通り、長い日照時間と寒暖差が特徴です。
この土地の可能性を最大限活かし、ぶどう栽培やワインを醸造しています。
こちらは、新たに設立した会社ではなく、tettaの将来性を見込んで出資し、2021年に代表取締役会長へ就任しています。
ONESTORYのインタビューには、以下のように答えています。
「もしかしたら岡山が世界につながるんじゃないか。そう考えたらワクワクしまして、彼の情熱にかけたいと思ったんです」
(引用:https://www.onestory-media.jp/post/?id=1421)
高橋竜太さんのことを「近年、なかなかいない“諦めない”精神の持ち主」と評し、自ら描いた夢への妥協しない姿に感銘を受け出資しています。
tettaの目標は、世界的な日本食ブームがありペアリングとして需要の多い日本のワインを、欧米に対して本格的に輸出することです。
2022年から本格的に、欧米への輸出を開始しています。今後も、国内はもちろん、海外の輸出を強化して、よりグローバルに岡山のワインを広めていく考えを示しています。
石川康晴の社会貢献など多彩な活動実績3つ
石川康晴さんは、数々のビジネスを成功してきただけでなく、社会貢献など多彩な活動実績もあります。
ここでは、事業以外でどのような成功を収めているのか見ていきましょう。
公益財団法人 石川文化振興財団を創設
2014年に「公益財団法人 石川文化振興財団」を創設しています。
石川康晴さんは、「文化、経済、教育への支援を通じて社会に高揚感を提供するとともに、未来を担う人々の教育に邁進したい」という想いをもとに、この財団を立ち上げ、地元岡山に社会貢献する、さまざまな活動を行っています。
【概要】
名称 | 公益財団法人 石川文化振興財団 |
理事長 | 石川康晴 |
設立 | 2014年8月25日 |
本社所在地 | 岡山県岡山市北区幸町2-8 |
公式ホームページ | http://www.ishikawafoundation.org/ |
【プロジェクト一覧】
A&C | 岡山の映画館、美術館、神社のパブリックスペースに、誰もが無料で鑑賞できる現代アート作品を長期間展示 |
A&A | ⽇本⼈建築家と世界的に活躍する現代アート作家がタッグを組んでデザインした宿泊施設を岡⼭に誕⽣させるプロジェクト |
岡山芸術交流 | 岡山の価値創造や地域活性化の一助となることを目指している現代アートの国際イベント |
Imagineering OKAYAMA ART PROJECT | 岡山市の「歴史まちづくり回遊社会実験」の一環として、石川コレクションを展示 |
オカヤマアワード | 岡山を拠点に幅広い分野で活躍する個人を顕彰・助成 |
Summer in JAPAN岡山 | 岡山におけるグローバル人材の育成に寄与するため、ハーバード大学の現役大学生を講師に迎えて、実践的な英語教育を行うサマースクール |
助成事業 | 岡山の芸術⽂化や経済振興、教育分野での個⼈や団体の活動事業に対しての助成事業 |
ここでは、ニュースやネットで話題になった活動の一部を深掘りします。
- 岡山芸術交流の総合プロデューサーとして活動
- オカヤマアワードの実行委員会会長を務める
- 福岡醤油ギャラリーをオープン
①岡山芸術交流の総合プロデューサーとして活動
石川康晴さんは、岡山芸術交流の総合プロデューサーを勤めています。
岡山芸術交流とは、2016年から岡山市で開催されている、秋に行われる現代アートの国際イベントのことです。岡山の価値創造や地域活性化の一助となることを目指している活動です。
これまで2016年、2019年、2022年と3年おきに開催されており、すべての開催において、総合プロデューサーを勤めています。
2022年に行われた岡山芸術交流2022は、12か国の芸術家が作品を展示されています。
石川康晴さんは、岡山芸術交流2022の実行委員会で、
「国外・県外からの集客はコロナ禍で厳しくなる。特に子どもと地元にフォーカスしたい」
(引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC081AT0Y1A101C2000000/)
と語っており、子どもがアートに触れる機械や鑑賞する機会を増やす展示を行っており、子どもの地域社会の活性化につなげています。
パブリックプログラムでは、小学生に向けた、岡山交流やアートを紹介する広報動画も公開されています。
②オカヤマアワードの実行委員会会長を務める
石川康晴さんは、オカヤマアワードの実行委員会会長を務めていました。
オカヤマアワードとは、岡山の経済や文化の向上を促し、岡山を活性化させていくことを目的として設立され、2010年から2019年まで開催されていました。
岡山で活躍する、中小の若手経営者や文化・スポーツなどで活躍する若手に表彰しています。これまで、147人が選ばれました。
地元岡山の次世代のリーダーを紹介・支援する取り組みとして、活動をしていました。
③福岡醤油ギャラリーをオープン
石川康晴さんは、芸術や地域文化の発信を行う「福岡醤油ギャラリー」を2021年の4月岡山市にオープンしました。
このギャラリーは、歴史的建造物「旧福岡醤油建物」を改修した文化的な施設です。
展覧会の開催や一部施設の貸し出し、瀬戸内の食文化を堪能できるスペースの運営など、人々の新たな交流が生まれる場として運営されています。
その第一弾の展覧会では、最新のテクノロジーを活用したシステムやデジタルコンテンツの開発で有名な「チームラボ」による個展「TeamLab: Tea Time in the Soy Sauce Storehouse」です。光と音で演出する幻想的な茶室が登場していました。
Twitterなどの口コミでは、チームラボが織りなす幻想的な空間と、お茶が楽しめると高評価を得ています。
地元岡山が活性化する活動の一環として成功を収めています。
ベストドレッサー賞特別賞を受賞
石川康晴さんは、2018年に日本メンズファッション協会が主催する第47回ベストドレッサー賞特別賞を受賞しました。
この年では、女優の有村架純さんや俳優の高橋一生さん、レーシングドライバーの中嶋一貴さん、音楽ユニットのアルケミストさんなどが受賞されています。
石川さんは、自身が服飾業界に足を踏み入れるきっかけとなった、着物を素敵に着こなしています。
石川康晴さんはプレスリリースのコメントで、
「23歳でアパレル会社を創業し、四半世紀、業界に関わってきた者として、大変名誉な賞を頂き、有難く思っています。更に精進し、成長していきたいと思います」
(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000036659.html)
と喜びを表しています。
ベストドレッサー賞は、ファッション業界の発展と各界の文化交流を目的で開催され、各分野で時代をリードする方に贈られています。
これまで四半世紀にわたる功績が、世間で高く評価された結果だといえるでしょう。
石川康晴の義援金により「岡山県子ども災害見舞金基金」が新設
2018年7月の西日本豪雨災害の際に、復興支援として石川康晴さん個人で寄付金1億円を贈呈したことがきっかけに「岡山県子ども災害見舞金基金」が新設されました。
「岡山県子ども災害見舞金基金」は、日本豪雨で床上浸水被害を受けた18歳以下の子ども1人につき、2万円の見舞金を支給しました。全国から岡山県に寄せられた寄付金額は、約5億円にも上ります。
この活動による貢献が認められ「紺綬褒章」を受賞しています。紺綬褒章とは、国の栄典の一種で、公益のために私財を寄付した方に対して天皇陛下から授与される褒章のことです。
事業として収益を生み出す活動だけでなく、社会貢献も積極的に行っていると評判を得ています。
石川康晴の趣味・交友関係を紹介
ここでは、石川康晴さんの趣味と交友関係をご紹介します。
事業家としての活動では見えない、個人としての顔や人物像が分かると思います。
順番に見ていきましょう。
自宅には数々の「アート作品」をコレクション
石川さんの自宅には、数々の「アート作品」をコレクションしています。
また、趣味としてだけでなく、ビジネスにも役立てています。
アパレル業界は斜陽産業といわれています。そういった閉鎖的な世界なため、新しく何かを推し進めることは難しいでしょう。
石川康晴さんは、
「趣味であるアートに関わることで、新しいビジネスのアイディアが浮かんだり、新たな可能性が開けてきたりと、ビジネスを推し進めるうえでの潤滑油、突破口になる」
『学びなおす力 新時代を勝ち抜く「理論とアート」』, PHP研究所, 2019/08/17, P.73
と著書で述べています。趣味として楽しむのはもちろん、ビジネスとしての発想力や想像力の源となっているようです。
自身のTwitterでも、自宅のアート作品を投稿しています。まるで近代美術館のようなアートが特徴です。
42.195km走り切る!フルマラソンを完走
石川康晴さんは、アートだけでなく、マラソンも趣味の1つです。
岡山マラソンでは、2019年までの5回連続フルマラソンを完走している実力があります。石川さんのTwitterやInstagramでもたびたび、マラソンの様子が投稿されています。
3年ぶりに開かれた、岡山マラソン2022年でも完走しており、雨の中タフな走りを見せていたそうです。
マラソンは単純な競技に見えますが、完走やタイム更新に向けて、計画やセルフマネジメントを自分なりに考えて実践していくスポーツです。健康保持や気分転換、ストレス発散以外に、こういった目標達成までのプロセスがビジネスと似ていることから、経営者やデキるビジネスパーソンに人気があります。
練習を重ねて42.195km走り切る楽しさは、ビジネスを成功させるために努力するプロセスに通じるものがあるのかもしれません。
香取慎吾など有名芸能人との交友関係
石川康晴さんは、有名芸能人との交友関係もあります。
①元SMAPの香取慎吾
元SMAPの香取慎吾さんと交流があります。
Twitterでも、ディナーをしたり、応援をしたりと交流している様子を何度もアップされています。
香取慎吾さんも自身も「ヤンチェ_オンテンバール(JANTJE_ONTEMBAAR)」というアパレルショップを手がけています。
石川康晴さんと香取慎吾さんは、ファッションやアートが好きという共通点があり、プライベートでの交流関係があるのかもしれません。
②元欅坂46の長濱ねる
元欅坂46の長濱ねるさんとストライプインターナショナル時代の仕事関係で交流があったようです。
具体的には、ストライプインターナショナルの打ち合わせや対談などで顔を合わせています。
元欅坂46の長濱ねるさんとの交流の様子もTwitterでアップしています。
石川康晴さんは、Twitterのバナーを欅坂46にしており、ファンだということが分かります。
実業家としてビジネス一筋のように見えて、アイドルを推す姿は親近感を感じさせますね。
石川康晴が数多く成功している2つの理由
この章では、石川康晴さんが数多く成功している理由を解説します。
これまでご紹介した、事業や社会貢献、趣味などを見てみると、努力家であることが伺えます。しかし、ただ努力をしているだけではありません。
なぜ数多く成功しているのかというと、理由は2つあります。
石川康晴さんのビジネスパーソンとしての考え方や行動、人柄などが理解できるはずです。自身のキャリア設計などの参考にもなることもあると思いますので、以下をご覧ください。
人と違うことを常に考えて実践している
1つ目の理由は、人と違うことを常に考えて実践しているということです。
具体的には、クロスカンパニー創業から20年間、従業員はすべて正社員として雇用していました。
アパレル業界のベテラン経営者からは「人は調整弁、いつでも切れるようにしておかないと」と言われたそうですが、石川康晴さんはその常識を疑い「おかしい」と考えています。
就職ジャーナルのインタビューではこのように答えています。
「そんなことをしていて、いい人材は集まるのか。だから、僕は全員正社員にした」
(引用:https://journal.rikunabi.com/p/career/entrepreneur/9581.html)
結果、大量離職の際に残ってくれた社員のうちの1人は、執行役員として2つのブランドを担当。会社に何十億円もの利益をもたらしてくれたそうです。
全員正社員にすることで、会社の基盤が整えられ、実際に成功しています。
他にも、
- 「4時間正社員」という短時間正社員制度
- イクメン推進休暇
といったような、働き方改革をいち早く取り入れています。
世間と違うことをするのは、不安や孤独を感じますよね。石川康晴さんは、周りに流されずに、本当に大切な行動に集中し実践したため、成功したといえるでしょう。
常にアップデートできる思考を持っている
2つ目の理由は、常にアップデートできる思考を持っているということです。
事業を継続し成長できるかどうかは、時代の変化についていき、常に進化を目指さなければなりません。
石川康晴さんは日経ビジネスのインタビューで以下のように答えています。
「アップデートできなくなったら、経営者は終わりです」
(引用:https://business.nikkei.com/atcl/opinion/16nv/052400007/052400001/?P=3)
「”成功した”とうぬぼれていると、あっというまに衰退していく。そうやって傾いた大企業も、倒産した例も、たくさん見てきました。事業を継続できるかどうかは、どれだけアップデートを繰り返すかにかかっています」
実際に、先ほどの章でご紹介した「すべて正社員雇用」は撤廃。人事制度を若者に合わせ、パート・アルバイトとしても働けるように変更しています。
結果、多くの従業員を雇うことができ、1,000億円規模の売上を突破し、大きく成長をしています。
常に最新の情報を更新し続けるのは、難しいですよね。石川康晴さんのアップデートし続けられる思考を持ち、時代に取り残されずに努力し続けたため、成功したのだといえるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
石川康晴さんが、どのようにして事業成功してきたのか深く知ることができたかと思います。
最後にこの記事の内容についてまとめておきますので、振り返ってみてくださいね。
・【幼少期~専門学校】服飾に興味を持つ環境からアパレル業界を志す
・【就職~退社】アパレル会社を起業する知識を得るために紳士服チェーンに就職する
・【1994年~1998年】地元岡山で「有限会社クロスカンパニー」を起業する
・【1999年】売上減や赤字、大量離職による倒産危機といった挫折を味わう
・【1999年~】ストライプインターナショナルの前身「earth music & ecology」を立ち上げ成功を収める
・【2020年3月】ストライプインターナショナルを辞任する
・【株式会社Merci】エシカル志向の「パン屋」
・【株式会社waistline Group】シニア向け「フィットネス」
・【tetta株式会社】岡山のぶどうを使った「ワイナリー」
・公益財団法人 石川文化振興財団を創設
・ベストドレッサー賞特別賞を受賞
・石川康晴の義援金により「岡山県子ども災害見舞金基金」が新設
石川康晴さんは、ストライプインターナショナルやイシカワホールディングスなど、数々の事業を成功させてきています。また、社会貢献活動などの実績も豊富です。
その成功の裏には、人と違うことを常に考え、情報を新しくアップデートして実行している努力を重ねています。イシカワホールディングスや社会貢献の活動など、今後の活躍も目が離せないでしょう。