松本宗篤さんは、イタリアのラグジュアリーブランドとして有名な「ヴァレクストラ」の日本法人を設立し、CEOとしてブランドを日本に広めた人物です。
ヴァレクストラ以外にも、ブルーノマリやジャンヴィトロッシ、ボルサリーノなどのイタリアのラグジュアリーブランドの日本法人設立に携わり、代表を歴任してきました。
ファッション業界に精通してきた松本宗篤さんは、名だたる有名ブランドの社長やオーナーと交友関係にあり、国内外問わず幅広い人脈を持っています。
現在はヴァレクストラジャパンのCEOは退いていますが、ファッション業界で新たなブランドのブランディングや環境保全にも積極的に取り組んでいるそうです。
今回は、松本宗篤さんがこれまで携わってきたブランドや、現在の活動内容について解説します。
松本宗篤のプロフィール
松本宗篤さんは、ヴァレクストラやジャンヴィトロッシなどの高級ブランドの日本法人を設立した実業家です。
現在もヴァレクストラの成長や発展のためにアドバイザーとして貢献しつつ、環境保全のためにファッション業界で実施可能な取り組みにも力を入れているといわれています。
松本宗篤さんのプロフィールは以下の通りです。
- 名前:松本宗篤(まつもとむねあつ)
- 生年月日:1972年8月17日
- 出身地:東京都
- 居住地:日本・イタリア(ミラノ)・フランス(パリ)
- 学歴:ペパーダイン大学
- 血液型:A型
- 身長:180cm
松本宗篤の海外での学歴と経歴
松本宗篤さんは、明治大学附属中野高学校を卒業するとアメリカへ渡り、ロサンゼルスの語学学校で英語を学んだあと、オレンジコーストカレッジに入学しました。
そのあとは、カリフォルニア州にあるペパーダイン大学へ入学し、勉学に励みながらさまざまな出会いや経験をします。
ペパーダイン大学時代のルームシェアで出会ったフランス人に影響を受けたことが、ファッション業界に足を踏み入れるきっかけとなったそうです。
大学卒業後は日本に帰国して、1998年に衣服に使用される革素材を主に取り扱う貿易会社を立ち上げました。
貿易会社は順調に収益を伸ばし、2000年代に入ると企業への投資やファッションブランドの買収をメインに行うM&Aなども手掛けるようになり、経営改善や収益向上に尽力します。
2005年には、イタリアの女性用シューズブランドであるブルーノマリの共同オーナー兼代表取締役に就任しています。
そのあとも、イタリアのヴァレクストラやジャンヴィトロッシ、帽子ブランドで有名なボルサリーノの日本法人CEOに就任するなど、名だたる有名ブランドで活躍をされてきました。
松本宗篤が携わった4つのブランド
松本宗篤さんは、これまでにさまざまな有名ブランドの設立やCEOを歴任しています。
ここでは、松本宗篤さんがこれまでに関わった有名なラグジュアリーブランドを4つご紹介します。
パンプスの原型を発明したことでも有名な『ブルーノマリ』
ブルーノマリ(BRUNOMAGLI)は、1936年にマリーノ・ブルーノ・マリーアの3人の兄弟によって、イタリアで創業された女性用のシューズブランドです。シューズ以外に時計やバッグなどの革製品も取り扱いがあります。
パンプスの原型を初めて作った歴史あるブランドで、上質な素材と高度な技術を備えた職人により一つひとつ丁寧に手作りされています。
職人によって作られたシューズは、履き心地の良さから世界中の王室や多くのセレブからも愛されているようです。
2003年には、日本法人であるブルーノマリジャパンが設立され、翌年には表参道に旗艦店もオープンしましたが、現在は日本から撤退しています。
イタリア版エルメスとも称される『ヴァレクストラ』
ヴァレクストラ(VALEXTRA)は、1937年にイタリアで生まれ、ハンドバッグや財布などの革製品を手がけているブランドです。
「24hour」や「Grip」などの多くのヒット商品を生み出し、ピラミッド型の形をした回転式の留め金具が特徴的な「イジィデ」はブランドのアイコンにもなっています。
一部の間では「イタリアのエルメス」と呼ばれるほど、洗練されたエレガントなデザインに定評があり、多くの方に愛用されているようです。
ニューヨークをはじめ、パリ・香港・韓国・シンガポールなど世界中に店舗を構えており、日本でも東京・札幌・横浜・名古屋・京都・神戸・福岡に出店しています。
卓越した靴作り技術を親から受け継いだ『ジャンヴィトロッシ』
ジャンヴィトロッシ(Gianvito Rossi)は、2007年に靴職人の家系で生まれたジャンヴィトロッシ氏により作られたシューズブランドです。
イタリアの靴作りで有名な「サン・マウロ・パスコリ」という地域で創業され、比較的歴史はまだ浅いブランドにもかかわらず、伝統的な技と機能性を追求して作られたデザインは世界の著名人やセレブからも支持されています。
特に、軽量化を実現する新素材のカーボンファイバーをソール部分に使用したシューズは、コレクションで注目されました。
2009年にジャンヴィトロッシの日本法人が松本宗篤さんによって設立され、現在も東京をはじめ大阪や京都に店舗を構えています。
世界一の帽子ブランドと称される『ボルサリーノ』
ボルサリーノ(Borsalino)は、1857年にイタリアで生まれた由緒ある老舗の帽子ブランドです。
これまでにパリで行われた万国博覧会でのグランプリ受賞や、160周年の際にはイタリアで記念切手を発行するなどの華やかな歴史があります。
確かな技術をもつ職人が、創業当時から続く伝統的なフェルトハット製法により、一つひとつ手作りしています。
150年経った現在でも多くのファンが存在し、日本では人気アニメの「ルパン三世」に登場する次元大介が着用している帽子としても有名です。
松本宗篤さんは、ボルサリーノの日本法人であるボルサリーノジャパンを設立し、CEOを歴任しています。
松本宗篤が注目する環境問題
松本宗篤さんは、ファッション業界で経営や戦略の面で活躍されていますが、地球の環境問題に対しても関心を寄せているそうです。
ファッション業界でも、衣服の大量生産と大量消費による環境汚染が問題となっており、ファッション業界に身を置く者として、環境問題は避けては通れないと感じているためでしょう。
この章では、松本宗篤さんも注目する地球の環境問題について解説します。
地球環境の現状
地球全体で考えなければいけない最も大きな環境問題として、地球温暖化があげられます。
地球温暖化が進むと、自然災害や生物などにさまざまな影響を及ぼします。
主に温室効果ガスが大きく関係しており、18世紀の産業革命以降から現在にかけて、温室効果ガスが急激に増え続けたことが原因となっているようです。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、ここ132年間で0.85度の温度上昇がみられていることがわかりました。
およそ1度の温度上昇でも、北極域にある氷の減少による海面上昇やゲリラ豪雨、台風の巨大化、森林火災の増加などのさまざまな自然災害を引き起こすとされています。
生物への影響においても、絶滅する動物が増えたり、農作物の生産量が減ったりする問題が引き起こされる懸念もあります。
これは、日本も例外ではなく、日本においても年々気温は上昇しており、年平均気温は長期的にみて100年間で1.19度程度上昇しているそうです。
地球に待ち受ける最悪のシナリオ
IPCCの調査によれば、これから100年間で地球の温度が最小で2度、最大で4度上昇する可能性があるといわれています。
さらに、地球温暖化の要因である温室効果ガスを排出し続けた場合、21世紀末ごろには海面水位が45cm〜82cm程度上昇すると予測もされているのです。
仮に、温室効果ガスの排出をほぼゼロにできたとしても、26cm〜55cm程度は上昇するであろうといわれているため、いずれにせよ地球温暖化は進む一方であると考えられます。
海面水位が上昇してしまうと、海抜が低い地域に住んでいる方は、住むことができなくなってしまい、湿潤気候と乾燥気候にある国や地域で、降水量の格差が生まれてしまうリスクもあります。
世界的に実施されている環境問題への対策
地球温暖化は、世界的な問題として世界各国が足並みを揃えて取り組んでいくことが重要です。
その具体的な解決策として、SDGs(持続可能な開発目標)とパリ協定があげられています。
SDGsとは、2015年に国連サミットで採択された2030年を期限とする国際的な目標です。
地球温暖化を解決に導くために、13個の気候変動に対する具体的な対策が盛り込まれています。
また、気候変動に対する世界的な取り組みとしては、2015年に行われた国連気候変動枠組条約締約国会議で、パリ協定が採択されています。
パリ協定は1997年に採択された京都議定書の後継版となっているもので、温室効果ガスの排出量と吸収量のバランスをとる目標が新たに掲げられました。
松本宗篤さんが携わるファッション業界でも、衣類を作る過程で出るCO2(二酸化炭素)の排出は問題とされており、環境に配慮したサスティナブル(持続可能)な取り組みが注目されています。
具体的には、リアルファーの使用禁止やカーボンニュートラルへの取り組み、衣服の再使用の取り組みなどがラグジュアリーブランドを中心に、積極的に行われているそうです。
ヴァレクストラジャパンCEOを退任?その後と現在
松本宗篤さんは、2008年にヴァレクストラジャパンのCEOとして就任し、2020年に退任しています。
ヴァレクストラジャパンを退任したあとも、ファッション業界でさまざまな取り組みをされているようです。
ヴァレクストラ本国とは友好な関係を継続
元々、ヴァレクストラジャパンの設立は、松本宗篤さんが会社のコンサルを依頼していた有名ラグジュアリーブランドの元社長からの誘いで生まれたという経緯があります。
松本宗篤さんは、ヴァレクストラジャパンCEOを退任後も、ヴァレクストラとの縁が完全に切れたわけではなく、ヴァレクストラを日本に広めた第一人者として、ヴァレクストラ本社との良好な関係は続いているようです。
実際には、本国イタリアにあるヴァレクストラ自体を成長させるために、相談や戦略を立てるアドバイザーという立ち位置で、現在も活躍されているといわれています。
現在もファッション業界で活動中との噂
数々の有名ブランドやラグジュアリーブランドと関係を持ってきた松本宗篤さんは、ヴァレクストラのアドバイザーとしての活動だけではなく、ファッション業界で新たにブランドの立ち上げに関与しているようです。
しかし、“松本宗篤”というネームバリューを活かして売り込む戦略ではなく、ブランドの世界観や物の良さが伝わるような戦略をとり、これまでM&A会社の設立や多くの日本法人の設立に携わってきた経験を活かし、自身がブランディングしたブランドを成長に導いています。
詳しい活動は不明となっていますが、今後もファッション業界で活躍していくことは間違いないでしょう。
松本宗篤が世界中で築き上げた人脈がやばい?
松本宗篤さんは、高校卒業後に英語を学ぶためにアメリカへ渡り、学生時代から持ち前の行動力と適応能力の高さを活かして、たくさんの交友関係を作ってきました。
さらに、日本に帰国してから会社の設立やさまざまなファッションブランド、企業と携わってきた経緯から、世界中にファッション業界の友人がいるとされています。
代表的な交友関係としては、グッチ・プラダ・フェラガモ・ボルサリーノ・ドルチェ&ガッパーナなどの誰もが知る有名ラグシュアリーブランドの社長やオーナーとつながりがあるようです。
このように、松本宗篤さんの豊富な人脈関係は、一般人では築き上げられないようなやばいものであり、いかに優れた人柄と経営センスの持ち主であるかがわかります。
まとめ
松本宗篤さんは、イタリアのラグジュアリーブランドであるヴァレクストラ、ブルーノマリ、ジャンヴィトロッシ、ボルサリーノなどの数々の有名ブランドの日本法人設立に携わり、CEOを務めてきた人物です。
有名ファッションブランドの社長やオーナーと幅広い交友関係を持ち、これまでファッション業界に影響を与えてきた松本宗篤さんの功績は計り知れないでしょう。
現在の活動内容については具体的には明かされていませんが、ブランドのブランディングや環境問題への取り組みなど、新たに活躍の場も広げているといわれています。
今後もファッション業界へどのような影響を与えてくれるのか注目度の高い人物です。